内容
コンピュータの集合体としてのネットワークで問題となっている“情報伝達の遅れ”に代表されるように、社会市場のダイナミクス、交通流や渋滞、神経細胞の集合体としての脳、星の集合体としての銀河などなど、さまざまなシステムには、ほとんど必ずと言ってよいほど「ノイズ」と「遅れ」が含まれている。これらは、単独にも、また時には両方相俟って複合的に各システムの挙動に多大な影響を与えている。この、ほぼ普遍的に存在するノイズと遅れに関して、そのどちらか、次に両方を含むシステムの探究への数理的手法、さらには具体的な応用例を、予備知識を特に必要とせずに理解できるように、分かりやすく紹介した初の書。