子どもが見ている背中~良心と抵抗の教育~
野田 正彰 著
内容
目次
はじめに Ⅰ 「心の教育」が学校を押しつぶす 1998年の中教審答申が推進力に 「伝統・文化」は未来を拓かない 『心のノート』が繰り広げる病理的道徳教育 少年の「心のノート」 「あなたは国を愛しているか?」 Ⅱ 「民間人校長」は,なぜ自殺したのか 民間人校長の死 なぜ前任の校長が処分されるのか 「何もわからない」 疲弊していく教師たち 二重の権力犯罪 Ⅲ 「君が代」強制によって,学校はこんなに変わった 1 音楽とのかかわり 子ども時代から大学まで 教員への道 音楽教員になって 「君が代」強制への恐怖 2 2000年3月の卒業式をめぐって 2000年卒業式当日のこと 国立市教育委員会の聴き取り 都教育委員会の聴き取り 3 「君が代」伴奏の強制 2000年8月22日・処分発令 2001年3月の卒業式 2001年4月の入学式 4 2002年3月の卒業式までとその後 反復される暴力の予感,出口のない将来 希死念慮 大好きだった季節が,最も恐ろしいものに変わってしまった いじめと症状 5 2002年卒業式での「君が代」の強制 再び「君が代」伴奏の要請 「君が代」を弾けないなら学級担任を 音楽専科2名という異例の措置 6 「君が代」を弾かないことに対する鞭 2002年度,音楽2名体制のなかで 朝鮮語の歌の指導に対する調査と嫌がらせ 2003年卒業式 「あなたは要らない」というメッセージ 国立二小勤務最後の年に起きたこと 嫌がらせと差別的扱い 異動を具申される 7 精神医学的考察 6年間にわたる抑圧 良心の人 Ⅳ 思いを打ちくだかれる教師たち Aさん(美術教師) 1 通達前から感じていた危機感 2 教育観 3 「10・23通達」以降の状況 4 今どういう悪影響を及ぼしているか 5 教育行政の圧力 6 心身に杭を打たれる Bさん(国語教師) 1 彼女の教育方針と不起立について 2 「10・23通達」前の不起立 3 「10・23通達」以降の状況 4 転向者への絶望 Cさん(数学教師) 1 「10・23通達」以前 2 「10・23通達」以降 3 してはいけないことをさせられる苦痛 Dさん(音楽教師) 1 「10・23通達」が出たときの状況――伴奏拒否申告に対する校長の攻撃 2 2004年3月卒業式までの気持ち 3 2004年4月以降,異動してからの状態 4 敏感関係妄想にまで追い込まれる Eさん(定時制高等学校・社会科教師) 1 「日の丸・君が代」強制に従えない理由と「10・23通達」による強制 2 状態の悪化 3 家族のみた症状 4 魂を抜き取られたとき Fさん(音楽教師) 1 音楽教育の意味 2 1999年ころからの学校の変化 3 「10・23通達」以降 4 今後の不安 5 野蛮な国の悪夢 面接を終えて――いま教師が直面していること Ⅴ コミュニケーションを奪われた子どもたち 狂気の沙汰と化す成績評価 先生との関係を歪める自己評価 嘘の訓練をさせられている 虚仮の訓練を受ける子どもたち 少女が読んだ1冊の絵本 教育基本法の理念に戻れ 子どもから得ている貴重なもの