藤田　英典 　著

内容

目次

はじめに １章　危険な「改革のための改革」 　危険な改革幻想／教育改革の時代／「反対のための反対」よりはるかに危険な「改革のための改革」 ２章　教育改革が招く〈教育の危機〉 　これまでの改革は成功したのか？／「教育病理」現象は解決・改善したか？／世界が注目する「日本の少年犯罪水準の低さ」／「グローバル化する知識社会」と「ゆとり教育」との矛盾／時間もかけず努力もせずに力がつくことはない／就学援助率の急上昇と教育格差の拡大／学校選択性の拡大と「リッチ・フライト」 ３章　解体される日本の義務教育 　四つの歪んだ改革と義務教育の危機／知識社会の進展と「ゆとり教育」改革との矛盾／「ゆとり教育」政策と「学力重視」政策との矛盾／「勝ち組」「負け組」をつくり出す「強者の論理」による教育システムの再編／習熟度別指導が孕む危険性／成果主義・査察主義と学校の管理的・市場的統制の危険性／教育におけるモラル・ハザードの危険／教員免許更新制の弊害／地域格差を拡大する義務教育費国庫負担金の削減／寸断される「ライフラインとしての義務教育」 ４章　二一世紀の教育と教育改革の課題 　知識・技術・資格・規範のグローバル・スタンダード化／欧米諸国の改革動向／IEA・TIMSSインパクトとOECD・PISAショック／TIMSS型学力かPISA型学力か／フィンランドとシンガポールの教育から学ぶべきこと／教育バウチャー制の危険性／「ネイミング・シェイミング・ブレイミング」政策の危険性／政府・教育基本法案の危険性／安倍首相の「美しい国づくり」構想と教育政策／未完のプロジェクトとしての教育