内容
バイオインフォマティクスという分野で出てくる様々な問題を解く上で必ず必要となってくるアルゴリズムという概念と、バイオインフォマティクスのつながりを理解することに重点を置いて、バイオインフォマティクスを解説した学部レベルの教科書. 生物系、情報系の学生いずれの学生にも、また、バイオインフォマティクスの分野で様々な研究開発を行う研究者にも参考になる一冊である.本書は、生物学とアルゴリズムの双方の考え方を紹介しており、いずれに興味を持つ学生、研究者でも興味深く読むことができるだろう。
本書の大きな特徴に、厳密な数学と実際的な技法をうまくバランスしていることがあげられる.本書は、問題を脈略なく並べることはせず、その基礎となるアルゴリズムの考え方を修得できるような構成になっている.したがって、生物学の様々な実用的な問題を解くのに必要な、アルゴリズムの基本的な設計方法を学ぶことができるだろう.またその一方で、情報科学上のどのようなアルゴリズムがバイオインフォマティクスに役立つのかについて知りたい読者にも役立つだろう.
本書で扱っている問題はいずれも生物学上重要な問題であり、それらの問題を正確に定義するとともに、その解法をわかりやすく説明している。また、これらに加えて、この分野をリードする研究者たちの興味深い伝記も多く紹介し、読者はこの分野への興味をより深めることができるだろう.本書を読めば、バイオインフォマティクス研究への理解と興味を深め、さらに技術の修得へつなげるきっかけになるのではないだろうか.
[原著書名:An Introduction to Bioinformatics Algorithms(The MIT Press)]