ジェンダー経済格差
川口 章 著
内容
目次
序章 ジェンダー経済格差とは何か:課題と分析方法 1.問題意識 2.国際比較 3.本書のアプローチ 4.本書の構成 第1章 ジェンダー経済格差は男女の適性の違いから生じるのか: 教育・就業選択の諸理論 1.課題と構成 2.生物学的性差仮説と社会環境仮説 3.経済合理的選択仮説 4.まとめ 第2章 なぜ企業は女性を差別するのか[Ⅰ]: 非合理的差別の諸理論 1.課題と構成 2.差別の定義 3.嗜好による差別 4.非合理的差別の類型 5.まとめ 第3章 なぜ企業は女性を差別するのか[Ⅱ]: 統計的差別の諸理論 1.課題と構成 2.能力格差に基づく賃金差別のモデル 3.離職確率格差に基づく採用差別のモデル 4.政策的インプリケーション 5.まとめ 第4章 現実は理論を支持しているのか: 差別の実証分析 1.課題と構成 2.先行研究 3.データ 4.非合理的差別の検証 5.統計的差別の実証分析 6.まとめ 補論 記述統計量 第5章 ジェンダー経済格差を生み出すメカニズムは何か 1.課題と構成 2.ジェンダー経済格差を生み出す構造 3.「企業における女性差別的雇用制度」と 「家庭における性別分業」の相互依存関係 4.「企業における女性差別的雇用制度」と 「WLBを無視したビジネス慣行」の相互依存関係 5.「家庭における性別分業」と 「WLBのためのインフラの不備」の相互依存関係 6.企業による採用ゲームと国民による投票ゲームの結合 7.まとめ 補論 第3節のモデルの均衡の導出 第6章 なぜ日本の雇用制度のもとでは女性が活躍しにくいのか 1.課題と構成 2.内部労働市場 3.日本的雇用制度と性別分業の相互依存関係 4.<企業における女性差別的雇用制度=家庭における 性別分業>均衡からの脱却 5.まとめ 第7章 結婚や出産によって賃金はどう変わるのか: 結婚・出産プレミアムの男女比較 1.課題と構成 2.結婚プレミアム/ペナルティと出産プレミアム/ ペナルティの定義 3.先行研究 4.デー夕 5.推定結果 6.まとめ 補論 記述統計量 第8章 男女が働きやすい職場とは: 均等化施策とワーク・ライフ・バランス施策が 賃金と就業継続意欲に及ぼす影響 1.課題と構成 2.予想される結果 3.分析方法 4.推定結果 5.まとめ 補論1「社員が知っている育児支援制度数(個人属性調整済)」 の導出方法 補論2「本人以外の社員か知っている育児支援制度数 (個人属性調整済)」の導出方法 6.まとめ 第9章 革新的企業では女性が活躍しているのか: コーポレート・ガバナンス/経営改革と女性の活躍 1.課題と構成 2.データ 3.実証モデル 4.ステークホルダーと雇用制度/経営改革 5.推定結果 6.まとめ 終章 ワーク・ライフ・バランス社会実現をめざして 1.これまでの議論のまとめ 2.政府によるWLB政策 3.情報開示政策 参考文献 あとがき 索引