岡潔~数学の詩人~(岩波新書 新赤版)
高瀬 正仁 著
内容
目次
はじめに 一 お日さまの光 生地と故郷/お日さまの光/境界問題/揺れる心/離れようとする心/ひと休み/第一の試み/北の涯の氷の山/実った思索と実らない思索/境界問題の回想/最後の高峰/ガストン・ジュリア/リーマンの定理/数学を構想する力/数学の発見を語る/数学の創造/理想を追い求める心/現代数学批判/アンドレ・ヴェイユ/ニコラ・ブルバキ コラム 多変数函数論のはじまり 二 留学と模索の日々 留学/中谷治宇二郎/イテレーションとの別れ/小さな失敗/ジュリア先生の雷霆の叱責/ハルトークスの集合/帰国/フリードリヒ・ハルトークス 三 問題群の造型 数学念仏道場/一枚のメモ/二つの流れ/アンリ・カルタン/ハインリッヒ・ベンケ/領域の理論/特異点研究の流れ/レビの不等式/レビの問題/未解決の主問題/E・E・レビ/オットー・ブルメンタール/ハルトークスの逆問題/上空移行の原理/問題群の造型/正体不明の一問題 四 情緒の世界 広島事件/心に書く第二論文/数学の中の人生/岡の原理の発見/帰郷/第四論文/父との別れ/第五論文/ 「ひとつの判定例など」/カルタンの凸性/解けるとも解けないともわからない問題/ヨーロッパからのたより/太古のふるさと/一日一文/鳴門海峡/淡路福良への小旅行/夢幻観/学位論文/蛍狩り/情緒の世界/内分岐領域へ 五 響き合う数学の心 ふる里は家なくて/不定域イデアルの理論/カルタンとベンケの手紙/大東亜戦争/壺中の別天地/突然の帰郷/郷里からのたより/第二報告と第三報告/最後の寄る辺/大戦下を生きる/戦中の五篇の論文/終戦/第七論文/奈良女子大学/数学の抽象化を悲しむ/カール・ルートヴィヒ・ジーゲル/響き合う数学の心 六 晩年の思索 打ち続く講演旅行/晩年の遺稿「リーマンの定理」/新代数函数論に向かって/最後の研究/春雨の曲/天衆の挨拶を受ける あとがき 年 譜