町家再生の論理~創造的まちづくりへの方途~
宗田 好史 著
内容
目次
序章 京町家との出会い 町家住民、小島さんが訪ねてきた 町家がまちづくりの新しい流れを創る 町家再生が開いた住まいの新しい形 都市の創造力を伸ばす町家再生 未来の都市を拓く町家再生 第1部 町家とその住民、誰が町家を守ってきたか─診察 1章 町家の実像 1 町家調査・都心部と町家 2 町家の数と規模 3 町家の姿、外観の類型 4 建築年代と保存状態、建物状態 5 京都の街と京町家、地域別に見る町家の様子 2章 町家の住民とその暮らし 1 都心人口と町家住民の動向 2 町家の住民の実像─町家住民アンケート調査から 3 町家と思わない町家住民 4 町家暮らしは満足だが、難しい 5 町家を守るまちづくりへの期待 6 町家への誇りとその継承 3章 町家と住民の多様性 1 多様な町家の現状を整理する 2 多様な町家をピラミッドで捉える 3 多様な町家住民とその暮らしの変化 4 町家住民の気持ちの変化を探る 第2部 なぜ京都は町家を残せないのか─診断 4章 町家を守らない理由、住み続けにくい理由 1 町家はなぜ残らないのか? 残らなかったのか 2 煽られた新しい住宅への憧れ 3 大家も住民も手を出せない老朽借家 4 手入れが難しい小規模持家 5 追い打ちをかけた街の変化 5章 町家という建物が維持できない理由─お出入大工の喪失 1 町家はどのように維持されていたのか 2 町家管理の専門家、お出入大工がいた時代 3 大店の旦那が支えた大工と町家の町並み 4 京都の大工、工務店の実情 5 町家を認めない建築基準法 6章 町家が残らないもう一つの理由─町家事業者の窮状 1 町家を事業に使う人々とは 2 町家事業者の実像、老舗が多い町家事業者 3 京都の伝統産業の衰退と町家 4 都心商業の衰退と町家 7章 町家が残らない都市計画制度の問題 1 日本の都市計画制度の様々な限界─3つの問題 2 なぜ町家に不利益をもたらす高いビルが建てられるのか 3 地元合意への過度な期待 第3部 京町家再生の方途─治療と治癒 8章 何が流れを変えたのか 1 町家の再生にむけた取組みが始まった 2 町家再生の道筋、行政・民間・市民の役割を示す 9章 町家の美しさを発見した人々 1 最初に声を上げた町家の美と理想像を模索する人々 2 町家の美を見出した住まい手と写真家 3 家族が戻ってきた、町家は家族を守る 4 伝統文化の中の町家、町家の文化的評価 5 町家の守り人、カストーディアン 10章 町家再生店舗を始めた事業者の実像 1 町家を再生する事業者の登場 2 町家ブームと町家再生店舗の登場 3 町家の活かし方 4 町家再生店舗の経営指標 5 町家再生店舗は起業のインキュベーター 11章 新景観政策を後押しした市民 1 市民が認めた京都市のリーダーシップ 2 大転換の端緒を開いたまちなみ審議会 3 新景観政策の概要 4 市民・事業者が参加する町並みづくりの出発点 5 町家支援メニューも整った 12章 町家の絆を再生した市民活動 1 社会との絆を取戻した京町家─町家再生の市民活動 2 京町家ネットの発展 3 町家で活動するアーティスト、なぜ町家に人は集まるのか 4 町家好きが集った京町家まちづくり調査 5 京町家証券化と京町家まちづくりファンド 6 町家を支える市民社会 7 残された課題、活動の先にあるもの 終章 京町家から明日が見える 1 我々は何を再生したいのか? 2 町家再生から日本の都市再生の論理へ