著者紹介
グスターボ・アドルフォ・ベッケル(著者):Gustavo Adolfo B´ecquer ロルカやルベン・ダリーオらスペイン系文化圏の知識人に多大な影響を与えたベッケル。「セビリアが生んだ世界に誇る二人の息子」という有名なことばがスペインにあるが、一人は「画家のなかの画家ベラスケス」であり、もう一人は「詩人のなかの詩人」ベッケルである。 1836年、セビリアに生まれる。1854年、詩人を夢みてマドリッドへ。1860年、自由主義穏健派の新聞「エル・コンテンポラネオ」の創刊と同時にそこで働き、詩、物語、エッセイなどを発表する。1868年9月に「9月革命」が勃発するが、ベッケルの物心両面の庇護者であった首相の私邸が民衆の襲撃にあい、この時『詩集』の手稿が消える。これを記憶に基づいて復元したのが本書である。1870年、『マドリッド画報』の文芸担当の編集長になるが、12月、肺炎のため急死。 邦訳書に『赤い手の王 』(野々山真輝帆・日比野和幸 監訳、彩流社、1995年)、『イワシの埋葬 スペイン短篇選集』(「モーロの洞窟」(大林一江訳)所収、野々山真輝帆 編、日比野和幸 他訳、彩流社、1996年)、『スペイン伝説集』(山田眞史 訳、…
山田 眞史(翻訳):やまだ まふみ 1982年上智大学大学院博士後期課程終了(単位修得)。日本経済新聞記者、バルセロナ自治大学客員研究員などを経て、現在、小樽商科大学教授。スペイン文学、ラテン・アメリカ文学専攻。著書に『物語を探して―ボルヘス、ベッケル、セルバンテスへの旅』訳書に『スペイン伝説集』、『民話の構造』(共訳)ほか。