最低所得保障
駒村 康平 著
著者紹介
内容
目次
序章 なぜ,最低所得保障なのか 駒村康平 1 はじめに 2 日本の所得保障制度 3 最低所得保障制度への視座 4 最低所得保障の国際比較 5 本書の課題 第1章 最低生活保障実現に向けた生活保護 岩永理恵 1 複雑化した生活保護 2 生活保護のしくみと議論の焦点 3 生活保護の展開 4 これからの課題 第2章 高齢者の最低所得保障――国民年金と生活保護について 四方理人 1 はじめに 2 国民年金の給付水準と生活保護制度との整合性 3 国民年金と生活保護の受給状況――最低所得保障の包括性について 4 最低保障年金についての考察 第3章 母子世帯の最低所得保障 田宮遊子 1 はじめに 2 母子世帯を対象とした所得保障制度の概要 3 制度の変遷 4 児童扶養手当と遺族基礎年金の包括性 5 母子世帯の直面する固有のリスクを支えるしくみ 第4章 障害のある人に最低所得保障を 百瀬 優 1 はじめに 2 障害者に対する所得保障制度 3 障害年金と,ほかの制度との関連性 4 障害年金の制度設計 5 新たな所得保障の構築に向けて 第5章 雇用保険制度における包括性――非正規労働者のセーフティネット 金井 郁 1 はじめに 2 包括性からみた雇用保険制度 3 失業時の最低所得保障の観点から 第6章 最低賃金と生活保護の整合性の再検討 四方理人,金井 郁 1 はじめに 2 最低賃金制度の成立と地域別最低賃金・目安制度の確立 3 最低賃金と生活保護の比較 4 最低賃金と生活保護の整合性に関する課題 5 最低賃金と生活保護のあり方について 第7章 課税最低限と社会保障――その役割分担 田中聡一郎 1 なぜ課税最低限か 2 復興期・高度成長期――1950年代~70年代 3 安定成長期――1970年代~80年代 4 課税最低限をどう考えるか――1990年代~2000年代 第8章 最低生活保障の理念を問う――「残余」の視点から 冨江直子 1 はじめに 2 「残余」の制度 3 生活保護への排除 4 生活保護からの排除 5 「最低」であることをめぐって 6 最低生活保障の「包括性」をめぐって 7 包摂の制度の構想 終章 最低所得保障制度の確立 駒村康平 補論 生活扶助基準における「世帯規模の経済性」の検討 渡辺久里子 あとがき 索引