内容
植物の生長を制御する分子として植物ホルモンは重要であり、遺伝子発現を調節して細胞分裂や細胞の伸長・分化、細胞応答を制御している。これまで植物ホルモンの生理機能についてはわかっていたが、最近、植物ホルモン受容体やその下流の制御因子の同定が進み、シグナル受容とその伝達のしくみが明らかになりつつある。さらに、根のまわりで化学シグナルとしてはたらくことが知られていた化合物が、枝分かれを制御する植物ホルモンとしても機能することが明らかとなり、シグナルの多様性が示されている。本書では、これらの植物におけるシグナル伝達の最新の知見をまとめた。植物科学者だけでなく、生物のシグナル伝達機構の研究者にとっても有用な一冊である。
(「蛋白質 核酸 酵素」臨時増刊を単行本に改装発行)