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変わる家族と介護(講談社現代新書 2082)  200p 2010

春日 キスヨ  著

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価格 \792(税込)         
発行年月 2010年12月
出版社/提供元
講談社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 200p
ジャンル 和書/社会科学/社会保障・社会福祉・社会政策 /社会保障・社会福祉・社会政策
ISBN 9784062880824
商品コード 0110114929
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2011年02月1週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=0110114929

内容

著者の春日氏は、30年以上にわたってケアワーカーや保健師の方たちと一緒に仕事をしてきた研究者ですが、この10年近く、家族と介護をめぐる状況が大きく変わったと感じるようになりました。

 たとえば、「高齢の親と同居する、経済力のない中年シングル息子/娘」の世帯が急増しています。介護と仕事の両立に悩む中年シングルの娘も増えています。高齢者夫婦の世帯で、夫が妻の介護や家事を担うストレスから、極端な場合は高齢者虐待に陥るケースも増えています。夫方の両親より妻方の両親を優先する夫婦も増えました。子が親を世話するという価値観が崩れ、二世帯同居でも実質ひとり暮らしという老母のケースもあります。

 著者は、このような状況を、「家族のかたちが大きく変わったことによって、家族に<セーフティネット>の役目を担わせるかたちでつくられている日本の福祉制度のあり方が限界に達し、人々が重大な困難に陥ったとき、どこからも救い手がなく、孤立し、ときには命までも脅かされようとしている」ということではないか、と考えています。

 本書はそのような「極端に聞こえるかもしれないが、けっして他人事ではない」ぬきさしならない家族と介護の問題の数々を、エッセイのかたちで語り、要所でデータなど解説を加えた本です。深刻なケースに対しても、著者の共感のこもった眼差しはあたたかく、個々の家族や、社会の制度について、どうしたらよいかを模索しながら語ります。誰にとっても大切で切実なテーマである家族について、考えるヒントになれば幸いです。

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