内容
トルストイが文豪として、思想家として、宗教家として偉大であったことはいうまでもないが、彼はまたそれ以上に児童のことをおもんばかり、児童教育に没頭した教育家であり、教師でもあった。このため自らの山荘ヤスヤナ・ポリャーナに学校を設立したのである。そして農民の児童を集めて教育したり、教科書を編集したり、児童のための読物を作ったり、教育雑誌を発行し、教育論や教育上の意見を発表した。このトルストイの教育上の事業と言説は彼自身が「真に自分の魂を打ち込んだ」仕事としている。本書に収録した教育論はみなこの教育雑誌に掲載したものである。