内容
序 超音波検査は腹部では最も広く行われている画像診断法であり,超音波検査なくしては腹部の画像検査は成り立たないというのが現状です. したがって, 腹部の画像診断を専門に行う者のみではなく, 医療に従事する者全員にとって無視することのできない画像検査法であり, 原理から臨床まで数多くの優れた教科書が既にあります. 本書は検査の現場でも簡単に開いて調べることができる超音波の正常解剖書があれば便利であるという発想で企画されたもので, 良好な画質の正常像から解剖名を引き出し, 眼の前の画像と対比して検討できるようにしました. また, 腹部だけではなく日常遭遇する頻度の高い頚部, 乳房および骨盤を加えて現場でより役に立つようにしました. 本書は『ポケットCT解剖アトラス』や『ポケットMRI解剖アトラス』の姉妹書であり, 両書と共に画像診断に携わる諸氏およびこれから勉強しようとする方々に少しでも役立つ本であることを望んでいます.1996年8月吉日河 野 敦