内容
世の中にはすでに工系のための代数の教科書はたくさんある。しかし、それらは代数の話題の中から工学に役立つ可能性の高いと思われる部分を集めて作られた、あくまで「数学書」である場合が多い。本書はそれらとは異なり、もう一歩踏み込んで、代数的ものの見方が実際の工学の中でどのように役立っているのかを具体的な例を通して解説することに力を注いでいる。
本書にはたくさんの例が取り上げられており、それらは2種類に分けることができる。その第一の例は、すでに読者にとってなじみの深い材料を使って、新しい概念を確認し、その理解を助けるためのものである。第二の例は、代数的なものの見方の工学への応用である。これらの例を通して、代数を工学的に眺める‘こころ’を理解できる。