内容
日本の歴史上、最大のヒーロー、源義経の栄光と悲運を描き切る一代記。
昔から、日本では〃判官びいき〃ということが一つの文化的特徴としてあげられてきた。それは、源義経の悲運に対する、大衆の同情心から生まれてきたといえる。狂言や歌舞伎、近くではテレビ・ドラマなどで、くりかえし語られてきた彼の物語は、この『義経記』が、そのもとになったといっていい。誰もが知っている、鞍馬山の天狗、弁慶との出会い、〃勧進帳〃の場面など、その原型が、この物語の中につめこまれている。ストーリーとしての面白さ、軍記物としてのその文章のリズムなど、魅力がいっぱいです。詳細な注と、平易な現代語訳をつけて、三段組み二色刷り。ぜひ、原文で、この古典のすばらしさを堪能してください。