Bevir, Mark（編者）：University of California, Berkeley, USA

政治学に関連するテーマを扱った講演や教科書では、多くの場合、あたかも学生や聴講者が必要な背景知識をもっていたり、容易に調べられることを前提としているかのように、説明なしに理論家の名前や特定の理論に言及したりします。しかし大学図書館の司書に聞けば、そのような前提がたいてい誤りであることが分かります。学生が司書に、特定の理論や理論家に関してごく基本的な情報を一目で得られるようなレファレンス書を尋ねることはよくあります。しかも、司書が簡便で十分な情報を備えたレファレンス書を学生に紹介しようとしても、なかなか適当なものがありません。全3巻の本辞典はこの要求に応えるために企画されたもので、現在の政治学理論の基礎に興味のある方すべてに役立つレファレンス書です。世界中の学者を執筆陣に招き、重要な理論のすべてとそれを生み出した理論家を扱い、その長所と短所を検証するための背景知識を提供しています。伝統的に確立している理論の解釈に加え、入門書のように、最新の研究に関する論文も収録しています。また、辞書としての役割も果たすよう、重要な概念や発想、学派、人物に関する簡潔で要を得た定義も収められています。本書の収録テーマには、古代、中世、近代の政治理論、啓蒙運動、現代の政治理論、立憲政治、リベラリズム、批評理論、ヨーロッパ大陸の政治理論、実証的理論、比較政治思想などがあります。