ことばのプリズム~文学・言語・教育~
内容
目次
【文学のプリズム】 ◉米軍基地の意味──アジア系アメリカ文学からの考察 (河原﨑やす子) 米軍基地とアジア系アメリカ文学──問題の所在 日系二世ヴェリナ・ハス・ヒューストンの描く日本女性の解放と希望 フィリピン系作家の示す希望と絶望、生と死の錯綜 チャモロ系の自文化の喪失認識とその告発 韓国系作家の描く絶望から希望への転換の可能性 レ・リ・ヘイスリップの示すヴェトナムからの脱出への道 アジア系アメリカ文学における米軍基地の意味 ◉リルケと第一次世界大戦(熊沢秀哉) はじめに 大戦勃発時のリルケ 大戦中・大戦後のリルケ おわりに ◉ミス・プリズムというプリズム ──オスカー・ワイルドの『まじめが肝心』における 〈父の名〉の脱構築(角田 信恵) プロットという問題/ふたつの課題/未婚の母の息子 なんでもない女』から『まじめが肝心』へ ミス・プリズムの小説とミューディ/乳母に預けられた文学 ミューディとW・H・スミス/牧歌という構造 天与の地口/私生児としての喜劇/子宮をもった父 バンベリーという欲望/地獄のアルカディア 【言語のプリズム】 ◉ビートルズの曲に見るアメリカ英語訛りとその変化(長尾 純) はじめに ビートルズが取り入れたアメリカ英語の特徴 なぜアメリカ英語訛りで歌ったのか アメリカ英語からイギリス英語へ おわりに ◉『アリス』における催眠誘導的な言語使用について (クレア・テイラー/宗宮喜代子) アリス本とミルトン・モデル ミルトン・モデルにおける言語パターン トランスデリベーショナル・サーチ/TDサーチ ▼不特定指示指標 ▼選択制限の違反 ▼削除 ▼名詞化 曖昧さ ▼音韻による曖昧さ ▼統語による曖昧さ ▼作用域による曖昧さ ▼句読による曖昧さ より小さい構造の包含 ▼質問の埋め込み ▼命令の埋め込み ▼引用 意味の派生 ▼前提 ▼会話の公準 『不思議の国のアリス』の冒頭/『鏡の国のアリス』の冒頭 アリス本に見る自己催眠のスキル 意識的・無意識的な「自分」探し おわりに ◉英文法における数と進行相の関連について(宗宮喜代子) 序論/典型例が表わすこと/範疇化の原則とプロトタイプ 普通名詞の単数形が表わすこと/非均質性と有界性 名詞のプロトタイプと周縁例/英語における三つの相 進行相における内の視点/ヴェンドラーの動詞分類 達成動詞の進行相が表わすこと/ラネカーの動詞分類 先行研究における進行相の扱い/進行相と数 ありがちな誤り/結論 ◉初対面の三人会話における話題の選択と情報の提供(大塚容子) はじめに 日本語コミュニケーションの特徴 ▼調査資料 ▼フォローアップ・インタビューの内容 ▼調査会話における各会話参加者の役割 ▼会話の開始 ▼話題の選択 ▼話題の深まり度 情報を提供するときの文末表現(一)終助詞 情報を提供するときの文末表現(二)「ね(え)」 情報を提供するときの文末表現(三)「よね」と「かね」 情報を提供するときの文末表現(四)「よ」 おわりに 【教育のプリズム】 ◉読解ストラテジーから見た日本人学習者の英語リーディングと指導(伊佐地恒久) はじめに 読解ストラテジーのタイプ 英語リーディング力と読解ストラテジーの関係 読解ストラテジーから見た日本人学習者の英語リーディング ▼調査の目的 ▼調査の方法 ▼調査結果と考察 まとめ 日本人学習者の英語リーディング力を向上するための指導法──「一〇分間多読」について ▼調査の目的 ▼調査の方法 ▼調査結果と考察 まとめ 全体のまとめ