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マーケティングに使える「家計調査」~世界最大の消費者ビッグデータは「宝の山」だ~

吉本 佳生  著

在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \1,650(税込)         
発行年月 2015年07月
出版社/提供元
講談社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 292p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/社会科学/経営学/マーケティング・商業
ISBN 9784062193757
商品コード 1016907621
NDC分類 675
基本件名 マーケティング
本の性格 実務向け
新刊案内掲載月 2015年08月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1016907621

著者紹介

吉本 佳生(著者):吉本佳生(よしもと・よしお)
1963年、三重県生まれ。エコノミスト。専門は金融経済論、生活経済学、国際金融論。NHK教育・総合テレビで21回(再放送をふくめると50回以上)放送された、経済学教育番組「出社が楽しい経済学」の出演・監修者。著書に、『金融工学の悪魔』(日本評論社)、『金融広告を読め』(光文社新書)、『スタバではグランデを買え!』(ダイヤモンド社)、『確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり』『暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり(共著、以上、講談社ブルーバックス)、『日本経済の奇妙な常識』『日本の景気は賃金が決める』(以上、講談社現代新書)、『無料ビジネスの時代』『高校生からの経済データ入門』(以上、ちくま新書)、『「世界金融危機」のカラクリ』『数字のカラクリを見抜け!』(以上、PHPビジネス新書)、『むしろ暴落しそうな金融商品を買え!』(幻冬舎新書)などがある。

内容

メディアでもよく取り上げられる「家計調査」。総務省が行っている、日本独自かつ世界最大の統計には、ビジネスに、地域振興に役に立つヒントが満載! 「ぎょうざ消費日本一」は宇都宮か浜松か。「納豆消費日本一」は水戸か福島か。眼鏡とコンタクト、価格戦略が成功しているのは? バーゲンセールの効果とは? 奈良、東京、秋田、効果的な教育モデルはどこか? 人気エコノミストによる新しいビジネスの教科書。


【著者コメント】著者は、本書で取り上げた『家計調査』が大好きで、これまでも、自分の本のなかでくり返し取り上げてきました。
 他の先進国でも似た調査が行われていますが、消費者物価指数計算の基礎資料を得るためのもので、日本の『家計調査』は詳しさが図抜けています。最近はモノがなかなか売れないなかで、企業がマーケティングに使うために、いろいろとデータの活用が試みられていますが、民間のデータに目を向けなくても、日本政府が公費を使って実施している調査のなかに十分使えるものがあり、『家計調査』はそのひとつです。
 実際に、地域振興にうまく活用したのが宇都宮市で、餃子の消費量が1位であることを売り物にして、餃子の街として印象づけました。その後、浜松市と宇都宮市の餃子消費量1位争いは、速報がニュースとして報じられるまでになりました。しかし、このデータが示しているのはテイクアウトの餃子の消費量であって、お店で食べる餃子が美味しいかどうかを示してはいません。だから、宇都宮市は「うまく活用した」と言えるのです。そして、餃子のバトルでこんなに盛り上がるのなら、納豆の方がバトルは熾烈だと言えます。2014年の納豆消費量の1位は、「水戸納豆」で知られる水戸市でなく、福島市でした。福島市は果物のももの消費量でも1位で、震災と原発事故でダメージを受けた福島の地域振興のためにこれらのデータは役立つはずです。
 著者は、本書の原稿を書き上げたあとに脳出血で倒れ、最初は大阪の病院に入院していましたが、パンにバターでなく、マーガリンを塗るのは、大阪を中心とした関西圏の特徴です。ですから、病院の朝のパン食にマーガリンがついてきたときに、データ通りだと感じました。
 また、生産地として有名であるよりも、消費が盛んである方が、美味しい食べ方を知っていそうで、地元の人が本当にその食材を好きでいることがよくわかって、消費者としては安心できる感じがしませんか? 例えば、東北より北でブランド牛を育てている地域で、実際に牛肉の消費量が多い都道府県庁所在市は、山形市で、だから、山形県の米沢牛(山形牛)は美味しそうな感じがします。
 本書を通じて、マーケティングにも街興しにも使える消費者行動についてのビッグデーターー『家計調査』の面白さと有益さが、少しでも多くの人に伝わればと願っています。

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