内容
本書は,〈壺イメージ法〉と称するユニークなイメージ療法を考案し,さらには不登校やいじめをはじめ青少年のさまざまな心の問題の相談活動や居場所づくりとネットワークを活用した心理的援助を行ってきた田嶌誠一の独創性溢れる臨床実践と田嶌から影響を受けた周囲の臨床家たちによる論考を集約したものである。著者(田嶌誠一)は,現場のニーズを「汲み取る,引き出す,応える」ために独創的且つ実践的・多面的アプローチを提唱実践してきた。本書のテーマは,スクールカウンセリング,児童虐待,いじめ,不登校・ひきこもりなどの学校臨床,境界例や強迫,うつ等の疾患,そして田嶌が臨床実践の集大成として取り組む,児童福祉施設における暴力問題,と多岐に亘っている。これら臨床的知見の宝庫とも呼ぶべき各々の論考を読み解き問題意識を共有することで,読者は心理面接技術を確実に増強することであろう。