内容
現代音楽はなぜ嫌われるのか。作曲・演奏・聴取の視座から綿密に切り込む二〇世紀音楽の光芒。進化・変転する音楽創造の系譜と現代における新しい展開の意味とその行方を探る尖鋭な批評精神。作曲家や評論家がどんなに理論武装しようとも、現代音楽のいかんともしがたい不人気・非大衆性は歴然とした事実のように見える。現代にあって、果たして新しい音楽創造は可能か? そもそもそうした新音楽が必要とされるのか? いわば新作無用論が跋扈するならほかにどんな道があるのか?…現代音楽の膨大な作品を渉猟してきた著者ならではの、大胆にして刺激的、かつ愛と憎しみの「二〇世紀音楽」論。