KNOWLEDGE WORKER ナレッジワーカー



丸善のおすすめ度

地獄と煉獄のはざまで~中世イタリアの例話から心性を読む~

石坂 尚武  著

在庫状況 お取り寄せ  お届け予定日 10日間 
価格 \9,350(税込)         
発行年月 2016年03月
出版社/提供元
知泉書館
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 28p,507p,15p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/歴史学/英独仏以外のヨーロッパ史
ISBN 9784862852311
商品コード 1020371122
NDC分類 237.04
基本件名 イタリア-歴史-中世
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2016年05月2週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1020371122

内容

14世紀の黒死病(ペスト)の大流行の中で,これを神の罰として恐れたヨーロッパの人々は,霊魂を治癒し浄めるため改悛して神に赦しを請うた。また地獄の無限の責め苦に対し,従来は通過儀礼的だった煉獄観も有限な劫罰の場として深刻に受け止められていく。模範的な訓話であった「例話」を用い,地獄や煉獄,贖罪,性欲などの事例を通して神の恩寵や信仰の大切さが説かれるなか,托鉢修道会は救済のために聖職者用の手引として例話を編集した。本書では,主として扱っているドミニコ会司祭パッサヴァンティの例話集『真の改悛の鑑』の初めての近代語訳を試みるとともに,テキストの丹念な分析と詳細な注解で,ペストや飢饉による終末的危機からの救済を求めて必死に生きる中世の人々の思考や行動を明らかにする。富裕層は死後の救済を求めて教会に多額の金銭を寄進し,高まりゆく信仰への情熱は多くの教会建築や絵画を生み出した。それらに関するイタリアを中心とした二百数十点に及ぶ著者の手による写真と簡潔な説明は,14世紀の危機を生きた人々のありのままの姿を見事に伝え,近代へと転換する時代の予兆を示している。

目次