都市経営時代のアーバンデザイン
高梨 遼太朗, 黒瀬 武史, 坂本 英之, 窪田 亜矢, 阿部 大輔, 宮脇 勝, 野原 卓, 鈴木 伸治, 楊 惠亘, 柏原 沙織, 中島 直人, 鳥海 基樹, 岡村 祐, 坪原 紳二 著
内容
目次
はじめに 1部 人口減少時代のアーバンデザイン 1章 積極的な非都市化を進める ── デトロイト 高梨遼太朗・黒瀬武史 1・1 人口減少と荒廃の先に 1・2 荒廃の経緯と特徴 1・3 草の根活動の広がり 1・4 選択と集中計画の試行錯誤 1・5 戦略的長期計画デトロイト・フューチャー・シティ(DFC)と 都市計画の地と図の反転 1・6 DFCの影響と限界 1・7 地区単位の積極的非都市化への到達過程 2章 縮退工業都市の戦略とブラウンフィールド ── バッファロー 黒瀬武史 2・1 縮退都市とブラウンフィールド問題 2・2 縮退工業都市の未来を拓く 2・3 ブラウンフィールド再生を地区の再生に繋げる 2・4 工業都市の再生を促す産業と戦略 3章 成長都市から定常化へのパラダイムシフト ── シュトゥットガルト 坂本英之 3・1 ドイツ都市のパラダイムシフト 3・2 ドイツ都市計画の特徴 3・3 土地利用の原型をつくったバウシュタッフェルプラン 3・4 シュトゥットガルト市の都市計画の動向 3・5 インテグレートされた都市開発プログラム 3・6 シュトゥットガルト21と州民投票 3・7 丘陵地の整備 ──グリーンUからグリーンリングへ 3・8 生活者の都市シュトゥットガルト 4章 原発被災地域の復興における経営 ── 福島県南相馬市小高区 窪田亜矢 4・1 経営概念と原発被災地域 4・2 福島県南相馬市小高区の事例分析 4・3 原発被災地域の復興における経営 2部 成熟社会を支えるアーバンデザイン 5章 社会的弱者と向き合うポスト都市再生のアーバンデザイン ── バルセロナ 阿部大輔 5・1 空間再生のバルセロナ・モデルの系譜 5・2 公共空間主導の地区再生 ──「つくる」からマネジメントへ 5・3 バルセロナ都市再生の光と陰 5・4 社会的包摂を支えるアーバンデザイン 6章 革新的ランドスケープを用いたアーバンデザイン ── ミラノと柏の葉 宮脇勝 6・1 ミラノ垂直の森 6・2 柏の葉アーバンデザイン 6・3 ランドスケープを主軸にアーバンデザインを考える意義 7章 文化芸術創造都市からインナーハーバー再生戦略へ ── 横浜 野原卓・鈴木伸治 7・1 「港町」横浜の誇りと再生 ──海都横浜の誕生と遺伝子 7・2 横浜の都市デザイン ──六大事業から文化芸術創造都市へ 7・3 クリエイティブシティ・ヨコハマによる都心再生戦略 7・4 創造界隈拠点形成によるツボ押し戦略 7・5 インナーハーバー再生戦略 7・6 横浜都市戦略のゆくえ 8章 保全型アーバンデザインから創造都市戦略へ ── 台北 楊惠亘・柏原沙織・鈴木伸治 8・1 変化するアーバンデザイン像 8・2 台北におけるアーバンデザインの変遷 8・3 歴史地区保全とアーバンデザイン 8・4 URSの仕組みと展開 8・5 産業遺産の保全と活用 8・6 北門における景観保存 8・7 実験を重ねるアーバンデザイン 3部 都市生活のデザインへ向かう「合意形成とリーダーシップ」 9章 企業経営者ブルームバーグ市長のもとでの都市空間再編 ── ニューヨーク 中島直人 9・1 再び、アーバンデザインの先進地へ 9・2 都市空間を再編する長期ビジョンとリゾーニング 9・3 都市のイメージを刷新する新たな公共空間の創出 9・4 ブルームバーグ以後のニューヨーク 10章 斜陽都市を欧州文化首都に押し上げる大統領と市長の牽引力 ── マルセイユ 鳥海基樹 10・1 地方分権性善説を疑う 10・2 文化政策を梃子とした都市再生 10・3 アーバンデザイン・ニュー・ディール 10・4 凋落都市から欧州文化首都へ 11章 広域自治体大ロンドン庁による歴史的都市景観の形成戦略 ── ロンドン 岡村祐 11・1 計画主導によるスカイラインの形成 11・2 広域的眺望景観の保全 ──ランドマークへの眺めの保全から多様なスカイラインの形成へ 11・3 世界遺産の周辺環境の保全 ──バッファゾーンによらない世界遺産周辺エリアの保護手法の開発 11・4 「新たな」歴史的都市景観の探求 12章 自転車都市にみる都市再生と合意形成 ── フローニンゲン 坪原紳二 12・1 オランダを代表する自転車都市 12・2 都心に出会い機能を再生する 12・3 住宅地の史跡公園を再生する 12・4 都心の歩行空間を再生する 12・5 自転車都市のブランド化