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トレント公会議~その歴史への手引き~

A.プロスペリ  著

大西 克典  翻訳
在庫状況 お取り寄せ  お届け予定日 10日間 
価格 \4,950(税込)         
発行年月 2017年07月
出版社/提供元
知泉書館
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 14p,250p,34p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/宗教/キリスト教
ISBN 9784862852588
商品コード 1025201728
NDC分類 198.22
基本件名 カトリック教-歴史
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2017年09月2週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1025201728

著者紹介

A.プロスペリ(著者):歴史学者。ピサ高等師範学校で宗教改革と対抗宗教改革史を講じ、イタリア宗教改革研究を牽引。

内容

トレント公会議(1545-63年/中断期あり)は,宗教改革に対する対抗宗教改革であると同時に,中世以来の課題である幼児洗礼,告解,聖体拝領,婚姻と叙階など秘蹟について議論する場でもあった。会議は教皇特使の下で司教,大修道院長,修道会長,さらに神学や法学の専門家,全権大使の取り巻きなどによって行われた。ローマ教皇庁は公会議主義を抑えて教皇権の首位性を確立し,教皇庁の人々を司教などに叙階して聖職禄で経済的に支えつつ組織を整備,聖職売買や贖宥状の販売を通じて財政基盤の確立を図った。またイタリアに多大な影響を及ぼしたカール5世は1516年のスペイン王即位後に神聖ローマ皇帝ともなった。彼は軍事力でルター派諸侯と対峙しつつ,帝国内部の宗教対立を収束するため公会議の開催を支持した。これに対しフランソワ1世はフランス王に即位,フランスがスペインや神聖ローマ帝国などカールの支配地に包囲されていく中で公会議に強く反対した。会議は俗権と教権,教皇と公会議,あるいは教皇権と帝国そして君主国間のせめぎ合いの場であった。トレント公会議や対抗宗教改革はイタリア近現代史の主題である。日本語版書き下ろしでアジア関連の終章を付した,イタリアを代表する碩学による格好のイタリア近世史入門。カトリックとイタリア近世史を軽視するわが国の傾向に一石を投じるヨーロッパへの新たな扉である。

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