内容
【読者対象】
コンピュータやデジタルデバイスのUI、UXについて興味のある学生。コンピュータが人の活動にどのように関わってきているかについて概要を知り、将来のデジタル機能の在り方について考察したい学生。
【書籍の特徴】
コンピュータがコミュニケー ションや日常のあらゆる局面で関わるようになった現状において,それらがどのように使われどのような影響を与えてきたかを理解し,今後についてビジョンを描くことができる力が、今後どの分野においても必要となるでしょう。そこで本書はコンピュータの機能や構造などの技術面についてではなく人との関係に焦点をあて,コンピュータのあり方が人に与える影響や意識に及ぼす変化について注目することにしました。具体的な事例を挙げた考察を多く記述することに努め、基本的なアイデアがどのように適用されているかを知り、理解を一般化できることを目指しました。
【各章について】
本書は各章を以下の三つのおおまかな話題に分けて構成しています。
1 .操作対象としてのコンピュータ(1,2,3 章)
2 .コンピュータと人の対話(4,5,6 章)
3 .生活環境を構成するコンピュータ(7,8,9 章)
人とコンピュータの基本的な接点であるインタフェースの話題から始めて,インタラクティブ性がもたらす用途の拡大について取り上げ,最後に,独立した装置から生活環境の一部へと変化していくコンピュータについて考察し, 将来のビジョンにまで繋がるようにいたしました。
【著者からのメッセージ】
情報科学分野は非常に早く進歩し変化するため,特定の知識はすぐに古くなってしまいます。また,知識はウェブを検索することによって簡単に入手することができます。そうしたなかで重要なのは多くの知識を暗記していることではなく,それらを結び付けて自ら考察を組み立てることができる力であり,そのために何を知ればよいのかを思いつける力であるでしょう。急激に変化する対象に対してサステナブルに通用するのは知識の量ではなく,考え方やビジョンの持ち方を身につけることだと思います。本書の内容についても、書かれたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、どのような視点で考察をしているかに注目して自分なりの考察と理解を作って欲しいと考えています。