法の支配のヒストリー
マイケル・ロバーン 著
内容
目次
序 『 法の支配のヒストリー』が目指すもの(戒能通弘) 第1章 サー・エドワード・クックと法の支配 (Sir Edward Coke and the Rule of Law) (マイケル・ロバーン/戒能通弘[訳]) 1 はじめに 2 「正義と平和は,王権のみに属する」 3 「法が国王を創る」 4 管轄権についての論争 5 国家的理由 6 おわりに 第2章 クック,ホッブズ,ブラックストーンと法の支配: 国会主権の確立と国王大権(戒能通弘) 1 はじめに 2 クックのボナム医師事件判決と法の支配 3 国王大権と国会主権:ホッブズとブラックストーン 4 おわりに コラム①:クックのボナム医師事件をめぐる解釈の変遷 第3章 正義の魂:ベンサムとパブリシティ,法と法の支配 (The Soul of Justice:Bentham on Publicity, Law, and the Rule of Law) (ジェラルド・ポステマ/戒能通弘[訳]) 1 はじめに 2 パブリシティとその所産 3 パブリシティと法の支配 4 おわりに 第4章 ダイシーと法の支配:形式性の背後面にある規範秩序(内野広大) 1 はじめに 2 国制における習律の位置づけ:独立した規範カテゴリとしての習律 3 憲法と習律の相互連関 4 おわりに 第5章 マーシャル・コートと法の支配:違憲審査制と最高裁判所の原型(原口佳誠) 1 はじめに 2 違憲審査制の成立:マーベリー対マディスン事件 3 個人の権利の保障:契約の自由と自然権思想 4 司法の独立:裁判官の専門性と客観性 5 アメリカ社会と合衆国最高裁判所:違憲審査制の受容 6 人民立憲主義:法の支配への問い 7 おわりに コラム②:マーシャル・コート研究の軌跡 第6章 「 統治」の法としての憲法と「法の支配」: ケント,ストーリーと初期アメリカ憲法学における「法の支配」の思想的起源(大久保優也) 1 はじめに 2 思想的基礎 3 「 法の支配」と憲法解釈:ストーリーの『合衆国憲法釈義』における「法の支配」 4 判例:「商業社会」の法 5 おわりに 第7章 ロックナー判決と法の支配(清水 潤) 1 はじめに 2 アングロ・サクソニズム,歴史法学,古典的コモン・ロー理論 3 修正14条の成立と連邦憲法構造の変動 4 コモン・ロー上の自由と憲法上の自由 5 コモン・ローの正統性の剥奪と制定法による社会の変革へ 6 おわりに コラム③:ロックナー判決の解釈の変遷 第8章 岐路に立つ法の支配(椎名智彦) 1 はじめに 2 リアリズム法学の文脈・再論 3 包摂的デモクラシーの時代:ニュー・ディールからウォーレン・コートへ 4 プロセス学派の視角 5 おわりに コラム④:リアリズム法学のリアリティ あとがき