新SI単位と電磁気学
佐藤 文隆, 北野 正雄 著
内容
目次
はじめに 1 物理学と単位系 1. 1 物理学と数量化 1. 1. 1 数量的記述と単位 1. 1. 2 メートル法から国際条約へ 1. 2 社会制度としてのSI単位 1. 3 単位を定義する現象 1. 3. 1 地球半径とメートル原器 1. 3. 2 定義の改変と継承 1. 4 測定技術の進展 1. 5 メートル法から国際単位系SIへ 1. 5. 1 メートル条約までの歴史 1. 5. 2 新SIまでの歴史年表 1. 6 キログラム原器の廃止と量子SIの単位系へ 1. 7 SI単位の実施体制 2 国際単位系SI 2. 1 SI の3つの柱 2. 2 基本単位と組み立て単位 2. 2. 1 基本単位 2. 2. 2 組み立て単位と「一貫性」 2. 2. 3 接頭語(prefix) 2. 2. 4 SIと併用される単位 2. 2. 5 書式,表記 2. 3 計量法 2. 3. 1 法定単位制定と計量器検定 2. 3. 2 法定計量単位 2. 3. 3 計量器に関する規制 3 単位系を定義する現象 3. 1 基本単位と物理定数の定義値 3. 1. 1 基本単位を定義する7つの定義値 3. 1. 2 基本単位の定義値への依存関係 3. 2 時間:天文時間から原子時計へ 3. 2. 1 天文時間 3. 2. 2 時 計 3. 2. 3 原子時計 3. 3 長さ:メートル原器から光速へ 3. 4 質量:キログラム原器からプランク定数へ 3. 4. 1 国際キログラム原器IPKの不安定性 3. 4. 2 「キログラム原器からプランク定数へ」の意味 3. 5 電磁気:電流から素電荷へ 3. 5. 1 力学単位からMKSA単位へ 3. 5. 2 電磁気の量子的測定 3. 6 温度:水相図3 重点TPWからボルツマン定数へ 3. 6. 1 セルシウス温度とケルビン温度 3. 6. 2 熱力学温度 3. 6. 3 国際温度目盛ITS-90――1次温度計と2次温度計 3. 7 物質量:モルからアボガドロ定数へ 3. 7. 1 モル質量と相対原子質量 3. 7. 2 ワットバランス法 3. 7. 3 X線結晶密度法によるアボガドロ定数NAの測定 3. 7. 4 質量とプランク定数 3. 8 光度:カンデラからルーメンへ 4 電磁気の単位とマクスウェル方程式 4. 1 電磁気学の現代的意義 4. 2 電磁気学における単位の困難 4. 2. 1 回路と電磁気の単位 4. 3 電磁気学の体系 4. 3. 1 源がつくる場 4. 3. 2 力学作用を表す場 4. 3. 3 真空の構成方程式電磁気の要石 4. 3. 4 電気力磁気力に関する法則 4. 3. 5 力による電磁気量の定量化 4. 4 マクスウェルと光速と回路 4. 4. 1 ウェーバーコールラウシュの実験 4. 4. 2 マクスウェルの慧眼光は電磁波だ 4. 4. 3 真空のインピーダンス源と力を関係づける 4. 4. 4 マクスウェル方程式の平面波解と光速 4. 4. 5 相対論と単位系 4. 5 電磁気の定数の定義値化 4. 5. 1 単位の現示 4. 5. 2 旧SIにおけるアンペアの定義――4π×10−7の起源 4. 5. 3 新SIにおけるアンペアの定義――電流次元の独立 4. 6 振動系波動系のインピーダンス――Z0の意味をたずねて 4. 6. 1 機械系のインピーダンス 4. 6. 2 LC 共振回路 4. 6. 3 LC ラダー回路と平面電磁波 4. 6. 4 平面電磁波のインピーダンス 4. 6. 5 抵抗板による電磁波の反射と透過 コラム)マクスウェルは4 種類の場を考えていた コラム)LC 共振回路によるc0とZ0の測定 コラム)D, H の測り方 5 電磁気の単位系の進化と単位系間の変換 5. 1 単位系の多様性 5. 1. 1 なぜ多様なのか 5. 1. 2 合理性を求めて非有理単位系から有理単位系へ 5. 1. 3 3 元単位系と4元単位系――単位の平方根 5. 2 単位系間の変換――SIからesu, emuへ 5. 2. 1 物理量の変換,数値の変換 5. 2. 2 1T=104 Gauss と書いてはいけない 5. 2. 3 SI からesu, emu への変換係数 5. 2. 4 変換表――物理量の変換 5. 2. 5 変換表――数値の変換 5. 3 ガウス単位系――esuとemuの無理な融合 5. 3. 1 3 元単位系の定量的問題と回路の単位 5. 4 実用単位系からMKSA――へジョルジのアイデア 5. 5 単位系相互の関係――系統樹 コラム)ガウス単位系の跳梁跋扈 コラム)EH対応とEB対応――D, H は補助場ではない 6 単位系余話 6. 1 測定の先端研究 6. 1. 1 光コム 6. 1. 2 光格子時計と重力による振動数シフト 6. 1. 3 Mc2=hν 振動数の直接測定 6. 1. 4 メタマテリアルと電磁気学の拡張 6. 1. 5 SI 単位と生物生理的効果 6. 1. 6 物理定数は時間的に一定か? 6. 2 SI の普及とその影響 6. 2. 1 単位をもつ量の表記:括弧の乱用に注意 6. 2. 2 数式と量式 6. 2. 3 単位系という制度:公正安定簡便 6. 2. 4 米国での単位系の混乱 6. 2. 5 電磁気学の古典的教科書の単位系改定――ジャクソンとパーセルの密約 6. 2. 6 新kg 制定の効果 6. 3 生活の中の計測単位 6. 3. 1 電波時計と時差ボケ 6. 3. 2 現代の暦管理:閏秒とコンピュータ時間 6. 3. 3 情報量の単位と情報機器 6. 3. 4 消費電力と照度:LEDとカンデラ(燭光) 6. 3. 5 血圧と大気圧 6. 3. 6 気象,地震 6. 3. 7 生活空間の視環境 6. 4 歴史余話 6. 4. 1 フランス革命からメートル条約まで 6. 4. 2 ハリソン時計と経度制定:フランスと英国 6. 4. 3 日本はSI優等生,かつては国粋主義者の反対も 6. 4. 4 物理学の体系と単位系,質量「ロス」 6. 4. 5 マジックナンバー――聖なる数? 6. 4. 6 個数,等級,序数,ランキング 7 単位系の数理構造 7. 1 単位系の一般的な考え方 7. 1. 1 量の空間と量の表現 7. 1. 2 単位系間の変換可能性と擬順序 7. 1. 3 単位系間の写像 7. 1. 4 変換の例 7. 2 次元と単位系――物理量はどこまで普遍的か 7. 2. 1 等価な単位系群 7. 2. 2 次元とは何か 7. 2. 3 正規化による単位系の変換部分単位系への埋め込み 8 諸定数表 8. 1 新SI での定義値と新旧SIでの主要物理定数の不確かさ 8. 2 「よく使われる基本物理定数」,「自然単位n.u.と原子単位a.u.」および「エネルギー等価換算」の表 参考文献 あとがき 索 引