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啓蒙とはなにか~忘却された<光>の哲学~

ジョン・ロバートソン  著

野原 慎司, 林 直樹  翻訳
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \2,860(税込)         
発行年月 2019年02月
出版社/提供元
白水社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 203p,13p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/哲学/近代哲学
ISBN 9784560096864
商品コード 1029387185
NDC分類 133
基本件名 啓蒙主義
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2019年03月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1029387185

著者紹介

ジョン・ロバートソン(著者):1951年生まれ。英オックスフォード大学で博士号取得。同大クライスト・チャーチ・カレッジ講師などをへて、ケンブリッジ大学歴史学部政治思想史教授。

内容

啓蒙とはなにか 忘却された〈光〉の哲学

カントと革命が覆い隠した運動

 すでにこの問いへの回答は与えられている。カントによる有名なあの定義だ(『啓蒙とは何か』1784年)。カントによれば、「啓蒙とは、人間が自らの未成年状態から抜け出ること」であり、そのためには「理性の公共的な使用」が求められるという。
 その簡略さゆえに「啓蒙」の正統的理解として後世を席捲したこの定義には、しかし、大きな偏りがあったと本書は指摘する。
 「光」という観念を共有しているとはいえ、アウフクレールングAufklärungについて語ることは、リュミエールlumiéresについて語ることとは全く異なるのだ。
 もう一つ、啓蒙についての理解を歪めたのはフランス革命である。トクヴィルでさえも革命の知的源泉を啓蒙の「高度の抽象性」に求めた。しかし、啓蒙はむしろ革命によって抹殺されたというのが本書の立場である。
 近年、イスラム教の台頭などを背景にポスト世俗化に光が当てられる。啓蒙はまさにその中核的な概念として参照されている。
 こうした思想状況に本書は警鐘をならす。啓蒙はあくまで18世紀の思想運動として捉えるべきなのだ。「経済学の生誕」を大きな果実とする啓蒙への全く新しいアプローチ!