【MeL】平安朝漢文学鉤沈 (研究叢書 490)
三木 雅博 著
※表示価格は「学術機関向け・同時1アクセス」の価格となります。ご注文を承った際には、実際のご契約内容により算出した価格でご請求いたします。
内容
目次
序 I 平安朝漢文学と白詩圏の文学 1 紀長谷雄の「山家秋歌」をめぐって――白詩享受の一端―― 一、紀長谷雄「山家秋歌」と「草堂詩」 二、菅原道真の「僧房屏風図」詩と「白氏草堂詩」 三、宇多・醍醐朝以前の「白氏草堂詩」享受 四、道真・長谷雄の作品における「白氏草堂詩」引用の特徴 五、「山家秋歌」と『古今集』の和歌 六、『白氏文集』の和様化 2 嶋田忠臣と白詩 はじめに 一、「詩媒」―嶋田忠臣における白詩享受のあり方― 二、嶋田忠臣詩における白詩享受の実態(一)―「禁中瞿麦花」「夏日納涼」詩の表現を通して― 三、嶋田忠臣詩における白詩享受の実態(二)―新しい題材の発見― 終わりに 3 平安朝文人と『白氏文集』――どう向きあい、どう用いたか―― 一、東アジアにおける『白氏文集』の伝播と日本 二、平安朝文人による『白氏文集』耽読 三、〈詩媒〉の獲得と実作への応用 四、貴顕と『白氏文集』―関白基経の白詩句吟誦― 五、白詩の耽読→〈詩媒〉の抄出→〈詩媒〉の蓄積へ 六、題材・表現・語彙以外にも『白氏文集』はさらに多くのものを文人たちに提供した 4 平安朝における「劉白唱和集解」の享受をめぐって――文人たちの作品と『仲文章』―― はじめに 一、「劉白唱和集解」の内容 二、平安朝の文人たちと「劉白唱和集解」 三、『仲文章』における「劉白唱和集解」の引用とその意義 終わりに II 平安朝漢文学と中・晩唐文学 1 中国晩唐期の唐代詩受容と平安中期の佳句選――顧陶撰『唐詩類選』と『千載佳句』『和漢朗詠集』―― はじめに 一、『唐詩類選』に注目する理由 二、『唐詩類選』序・後序に挙げられた唐代詩人と『千載佳句』の唐代詩人の比較 三、『唐詩類選』と『千載佳句』『和漢朗詠集』―『和漢朗詠集』博士家写本に見える逸文をめぐって― 終わりに 2 菅原道真の「端午日賦艾人」詩と唐人陳章の「艾人賦」――平安朝における唐代律賦受容の一端―― はじめに 一、道真の「端午日賦艾人」詩と『荊楚歳時記』に見える「艾人」 二、「艾人賦」の紹介 三、道真「端午日賦艾人」詩における「艾人賦」の受容 終わりに III 詩と歌の交感 1 『文華秀麗集』『経国集』の「雑詠」部についての覚書――その位置づけと作品の配列をめぐって―― はじめに 一、『文華秀麗集』『経国集』の部門の配列と「雑詠」部 二、「雑詠」とは何か 三、『文華秀麗集』『経国集』の「雑詠」部の実際 四、「雑詠」部の由来・その意義など 2 嶋田忠臣と在原業平――漢詩が和歌を意識し始めた頃―― はじめに 一、藤氏の栄華―「藤」によせた詩と歌― 二、月を留める―「天柱を峙たしめ」と「山の端逃げて」― 三、「春心」の懊悩―酔中、花を惜しむ― 終わりに 3 漢詩文と『古今集』――万葉から古今に至る〈香〉の世界の展開と漢詩文―― はじめに 一、上代韻文学の〈香〉の世界―「五月待つ……」歌の発想基盤の生成― 二、勅撰三漢詩集の〈香〉の世界 三、『古今集』における〈香〉の世界の展開 終わりに 4 〈香〉と視覚――『古今集』前夜における詩と歌の交感―― はじめに 一、菅原道真の「月夜見梅花」詩をめぐって 二、「見えない」ことへのこだわり―詠み人知らず歌の〈香〉から六歌仙・撰者時代の〈香〉へ― 三、道真詩、『新撰万葉集』詩における〈香〉の「見立て」―『古今集』撰者たちの時代に― 終わりに IV 菅原道真の文学活動 1 『菅家文草』――その成立・伝来など―― はじめに 一、『菅家文草』の成立 二、『菅家文草』の構成と内容 三、『菅家文草』の伝来 終わりに 2 「行春詞」札記――讃岐守菅原道真の国内巡視―― *谷口真起子氏と共同執筆 はじめに 一、「行春」とは何か 二、「行春詞」読解 終わりに 3 菅原道真「讃州客中詩」の形成と「詩人無用」論 はじめに 一、「讃州客中詩」の中の二つの流れ―先行研究における位置づけ― 二、「讃州客中詩」と「詩人無用」論の関係―「行春詞」を例に― 三、なぜ道真は帰京後、在地社会を詩に詠むことをやめたのか 終わりに 4 「舟行五事」札記 はじめに 一、「宿舟中」詩再読 二、「舟行五事」再読 三、「舟行五事」詩の位置づけ V 幼学の世界と平安朝漢文学 1 下層官吏層の〈学文〉と文学活動――その実態と展開について―― はじめに 一、『那須国造碑』の文章と『仲文章』の文章 二、下層官吏層の〈学文〉について 三、下層官吏層の〈学文〉の基盤と、その〈学文〉が生み出した作品について 四、院政期から鎌倉期にかけて、彼ら下層官吏層の〈学文〉が文学史にどのように関わってくるのか 2 『仲文章』に関する二・三の考察――『和漢朗詠註抄』所引『代讃章』佚文との関連から―― はじめに 一、『和漢朗詠註抄』所引『代讃章』佚文について 二、『仲文章』の「仲文」と『代讃章』の「代讃」 三、『仲文章』『代讃章』の「章」について 終わりに 3 教訓書『仲文章』の世界――平安朝漢学の底流―― はじめに 一、教訓書としての基盤―本邦撰述の教訓書との関連― 二、表現の特色―地方の出来事を報告する文章との関連― 三、典拠の出処―『仲文章』と『注好選』― 四、文飾を持った教訓書―和歌的表現と『仲文章』― 五、大江匡房の漢文表現と『仲文章』 六、『仲文章』が対象とした人々 七、『仲文章』の書名について 八、『仲文章』の作者とその成立をめぐって 終わりに 4 『童子教』の成立と『三教指帰』 はじめに 一、『童子教』の勧学部と『三教指帰』 二、『童子教』の孝養部と『三教指帰』 三、勧学部・孝養部以外の『童子教』章句と『三教指帰』 終わりに 5 『口遊』所引の中国の占雨誦句と大江匡衡の賀雨詩序の「東方朔之前言」 はじめに 一、『口遊』乾象門の占雨の諺をめぐって―中国の文献に見える占諺とのかかわり― 二、大江匡衡の「賀雨」詩序の「東方朔之前言」と『口遊』の占雨の誦句 三、「東方朔之前言」をめぐって―逸書『東方朔書』との関連について― 四、占雨の諺と為政者たち―まとめに代えて― 索引 事項索引 書名索引《中国・日本》 作品名索引《中国・日本》 和歌索引 人名索引《中国・日本》