内容
芸歴85年の狂言師 野村万作が、
芸話を通し狂言の神髄に迫る至高の一冊。
戦後から現代に至る激動の時代を狂言師としてしなやかに生きてきた人間国宝・野村万作。
芸の神髄に迫る狂言「芸話」、様々な邂逅、未来の狂言へのメッセージを収めた永久保存版。
「役者なくして芸能はない。
伝統芸能は自動的に継承されるわけではない。
世代ごとに再創造されるのだ。
それを舞台に即して語って無類におもしろい本。」−池澤夏樹
舞台写真をはじめ、貴重な写真も豊富に収録。
「大きな視点からいえば私の祖父、父、私たち、倅とで、それぞれ狂言が違っていっていいのです。これは世の中の流れなのですから。伝統といっても、江戸期の家元にしろ、世阿弥にしろ「今の時代にあった狂言」「場を心得た狂言」というようなことを言っています。そういう精神が流れているのです。だからこそ狂言が今日まで生きてきたのではないでしょうか。」(本文より)