財産権の経済史
著者紹介
内容
目次
序 章 財産権の保護と実体経済(小林延人) 第1節 財産権概念の形成と国家による財産権の保護 第2節 財産権と経済活動 第3節 公的秩序と私的秩序 第4節 本書の問題意識と各章の構成 第I部 法律学と経済学を架橋する 第1章 財産権と経済活動――法律学の見地から(田中 亘) 第1節 はじめに 第2節 財産権の意味および種類 第3節 財産権と経済活動との関係 第4節 公権力と私的秩序との関係 第5節 歴史の中の財産権 第6節 おわりに 第2章 財産権と経済活動――経済学の見地から(有本 寛) 第1節 はじめに 第2節 財産権と経済活動 第3節 私的制度と公的制度 第4節 おわりに 第II部 実証史学からの証言 第3章 国家による債権の認定 ――藩債処分と大坂両替商・加島屋久右衛門家(小林延人) 第1節 はじめに 第2節 大名貸と維新期の制度変革 第3節 加島屋久右衛門家の大名貸と藩債処分 第4節 小括 第4章 銀行破綻と社員権・債権の整理 ――昭和金融恐慌における加島銀行の事例(結城武延) 第1節 はじめに 第2節 銀行が破綻すれば,財産権はどのように処理されるのか? 第3節 加島銀行の破綻と日銀特融 第4節 加島銀行の破綻・清算過程における廣岡家の対応 第5節 考察と結論 第5章 発明特許は何をもたらしたか ――明治日本の近代化過程と特許制度(今泉飛鳥) 第1節 はじめに 第2節 特許制度の成立とその位置づけ 第3節 特許権をめぐる活動とその影響 第4節 発明特許がもたらしたもの 第5節 小括と展望 第6章 知的財産権と経済成果――審判による秩序形成(西村成弘) 第1節 はじめに 第2節 審判制度の導入と普及 第3節 藺莚業の事例 第4節 電球産業の事例 第5節 おわりに 第7章 農地の財産権と秩序――新潟県の軒前制を事例に(齋藤邦明) 第1節 はじめに 第2節 近代の土地所有権制度の導入――割地慣行と地租改正 第3節 農業の財産権の変容――地主制の後退と農地政策の展開 第4節 農地改革と農地の財産権――中央農地委員会と慣行小作権 第5節 おわりに 第8章 牧野と灌漑用水路をめぐる所有権と経済活動 ――19世紀から20世紀初頭フランス・オート=ザルプ県を中心に(伊丹一浩) 第1節 はじめに 第2節 研究対象地オート=ザルプ県 第3節 牧野をめぐる所有地と経済活動 第4節 灌漑用水路をめぐる所有権と経済活動 第5節 おわりに Property Rights in Economic History: Early Meiji Japan to Modern Period Noburu KOBAYASHI, Editor