江沢洋選集<6> 教育の場における物理
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内容
目次
第1部 世界観としての科学を 1.物理学的世界像 1.1 自然の構造 1.2 物理学の方法 2.世界観としての科学を! 3.物理学にも思想があることを理解させる 3.1 教育は教師の手に 3.2 情況 3.3 原典を読みたい 3.4 思想の発掘 3.5 1つの具体例として 3.6 研究ゲリラ 4.科学政策とプルーラリズム 5.学校の外の教育を――江沢洋先生へのインタビュー 5.1 現代科学が一般の人々から遠ざかっているということについて 5.2 (現代科学の中でも)特に理論物理学のような基礎科学が敬遠されがちな点について 5.3 科学ジャーナリズムについて 5.4 科学者の啓蒙活動について 5.5 科学教育について 5.6 今後の展望―― 一般の人々に望むこと 6.宿題を背負って歩くのが基本――新・学間のすすめ 6.1 間違いは自由への基本的人権である 6.2 啓蒙とは自由の増進を助けること 7.理科教育の再生のために [対談:江沢洋・上條隆志] 7.1 理科離れは誰のせい? 7.2 教育がやせ細ってしまった 7.3 社会の学問温度を高める 7.4 科学の面白さとは 第2部 教育にみずみずしい感性を 8.教育の基本が欠落――高校生に 8.1 「新しい学力観」の虚妄 8.2 創造は攻撃だ 8.3 理科と数学、バラバラ事件 8.4 科学雑誌は学問温度の指標 8.5 テレヴィが人を愚かにした!? 9.パパがセンセイ――ファインマンの場合 9.1 乳飲み子に数学 9.2 膝にのせて 9.3 山道を歩きながら 9.4 エクスプレス・ワゴン 9.5 物理のほかにも 9.6 大学まで出したのに 9.7 親父として教師として 10.想像力を自由に――父から子供たちへ 11.ビーフを食べるのは牛になるためではない 11.1 確かさの感覚を養う 11.2 “副作用”にも心配りを 11.3 勉強とは何をすることか 11.4 自主性とプルーラリズム 12.人生の半分を生きた小世界 12.1 生意気な子どもたち 12.2 学校は子供の小世界 12.3 詰め込み? 12.4 教育における間接法 13.「物理」は「化学」の後だなんて! 13.1 二人の驚き 13.2 あの街角、この街角で 13.3 日本では…… 14.理科教育の諸問題――次世代のための警告 14.1 物研連の報告 14.2 学力低下の現実 14.3 学習指導要領とその問題 14.4 履修率の激減 14.5 『指導要領』は最低基準 14.6 大学における基礎教育と国家投資 14.7 大学院の問題 15.大学・民主主義・地方分権 16.良い講義とは? 17.質問するとは主張すること 17.1 質問のいろいろ 17.2 ロゲルギスト 18.計算練習とは 18.1 参考書にあげる 第3部 外国物理教育事情 19.アメリカの科学教育 19.1 物理教育の革命 19,2 教育改革の展開 19.3 おわりに 20.英国物理学会の高校新カリキュラム 20.1 英国物理学会・新カリキュラムの背景 20.2 Advancing Physics 21.少年宮、奥林匹克…… 21.1 課外・校外・規格外 21.2 北京市少年宮 21.3 航模小組 21.4 数字電路 21.5 発明 21.6 オリンピック 22.カピッツァ物理学問題集に寄せて 第4部 社会における物理学 23.日頃、気にかかっていること 23.1 まえおき 23.2 科学政策論 23.3 日本科学の情勢論 23.4 科学者の組織論 23.5 日本科学者論 24.物理学を社会へ 25.ハイゼンベルク生誕九十年祭――朝永先生のドイツ留学 25.1 二十世紀の物理学革命 25.2 物理学者の交流計画 25.3 ハイゼンベルク――物理学者にして哲学者 25.4 ドイツ物理学 25.5 オッベンハイマーをどう思ったか 25.6 方法論と弁証法 26.理論物理学者ランダウの投獄 27.核燃料加工施設 臨界事故 27.1 初めての作業 27.2 ウラニウム235 27.3 中性子線被曝 27.4 事故が再びおきないように 28.日本学術会議の改革 28.1 はじめに 28.2 改革前史 28.3 行政改革 28.4 未来構想懇談会 28.5 学術会議の新しい案 28.6 総合科学技術会議の案 28.7 フィナーレ 28.8 改正法施行後の学術会議 29.憲法九条と幣原喜重郎 第5部 文化としての科学 30.あの頃の哲学と物理 31.科学技術を文化として見る気風を醸成するために 31.1 第4部および運営審議会の意見 31.2 科学は文化か 31.3 子どもと大人 32.“おもしろい”って何ですか? 33.いわゆる通俗書をどう考えるか 33.1 通俗書をどう考える 33.2 世界観をつくる通俗書 34.科学ジャーナリズムの役割――科学者の立場から 34.1 生きて動く科学 34.2 科学に向かう姿勢 34.3 科学的世界像 34.4 科学批判と政策批判 34.5 教育は学校の専売ではない 35.「科学」創刊50年を迎えて [鼎談:玉虫文一・坪井忠二・江沢洋] 35.1 創刊のころ 35.2 石原先生と寺田先生 35.3 科学のおもしろさをみんなに 35.4 人びとに自分の関心を記す機会を 35.5 社会の変化・感覚の変化 35.6 体制化した教育 35.7 「科学」の悩み 35.8 科学界の体質も変わった 35.9 わかる「科学」にしたい 35.10 ナチュラル・フィロソフィーの伝統が 35.11 抽象的より具体的に、そして歴史的に 35.12 言いつくす・書ききる 35.13 非常時の「科学」 35.14 戦後の発展 資料1―「科学」 創刊の辞 資料2―石原純博士の追憶 資料3―「自然」創刊の言葉 36.古本のすすめ 37.世紀末の伝記ブーム 37.1 ニールス・ボーア 37.2 ラザフォード 37.3 シュレーディンガー 37.4 ディラック 38.科学の総合誌を待望する 38.1 ジャーナリズムの階層 38.2 考える楽しみ 38.3 わかる 38.4 学問地図 38.5 日本の科学 39.高校生・中学生にすすめたい本 39.1 物理 39.2 数学 39.3 科学史 39.4 伝記 39.5 最後に エッセイ 内村直之 第VI巻解説 上條隆志 著者あとがき 江沢洋