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三島の子どもたち~三島由紀夫の「革命」と日本の戦後演劇~

日比野 啓  著

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価格 \3,740(税込)         
発行年月 2020年12月
出版社/提供元
白水社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 273p,8p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784560098103
商品コード 1032507687
NDC分類 912.6
基本件名 戯曲(日本)
個人件名 三島/由紀夫
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2021年02月1週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1032507687

内容

劇作におけるフォルマリストの系譜

 歌舞伎を「旧劇」とした新劇は、1960年代後半〜70年代前半にアングラ演劇によって乗り越えられたのだ──といった歴史観が、今も大勢を占めている。新劇とアングラには巷間言われるほど断絶はなく、明治期以来の非伝統的な演劇はみな小劇場というカテゴリで括られうる──といった見方もあるが、それはまだ少数派だ。本書は、この2つの史観を包含する視座を提示し、その鍵は三島由紀夫であると主張する。
 アングラ以後の世代の劇作家たちを「三島の子どもたち」と見なそう。アングラとその後の小劇場は、三島の開き直りの上に開花した運動だ。原型的モチーフを織りなおす三島の「意匠」は井上ひさしと寺山修司を後押しし、「本物/贋物の対立」という三島のテーマは、別役実、つかこうへい、野田秀樹や平田オリザまでもが駆使するツールとなった。
 三島由紀夫の「遺伝子」は、演劇においてどのように継承されたか? 岸田國士や福田恆存を皮切りに、アングラからメタシアター、アンドロイド演劇まで、50年間の劇作家たちによる「様々なる趣向」を検証! 松尾スズキやケラリーノ・サンドロヴィッチ、岡田利規や藤田貴大ら現代演劇の旗手も視野に収め、索引も完備した、正統なる現代演劇史。