世界は救えないけど豚の角煮は作れる
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お届け予定日
2週間
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価格
\1,320(税込)
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発行年月 |
2021年01月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
191p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/文学/日本文学 |
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ISBN |
9784048969253 |
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商品コード |
1032604195 |
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NDC分類 |
914.6 |
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商品URL | https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1032604195 |
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著者紹介
にゃんたこ(著者):日常風景に自身のエピソードや考えなどのテロップをつけた、文学的世界観全開の動画やゲーム実況動画などを投稿している。文学的センスに長けた文章や飾り気のない日常の様子が魅力となり、人気を博している。現在のYouTubeチャンネル登録者数は30万人を超えている。
内容
YouTubeで文学的世界観を作り出している、にゃんたこの初エッセイ!
にゃんたこワールド全開の日常と哲学がここに凝縮。短編ストーリー「沈む熊」、「いつくしみをたたえて」も収録。
【本文より】
生活の中に、青春を懐かしむ余白をもつ人間のことを大人と呼ぶのだとすれば、私の心はずいぶん前からすっかり大人になってしまっている。年齢を重ねただけの子供を大人と呼ぶことができるのか?というモラトリアム的な問題はさておき、とにかく最近、青春時代のあれこれを思い出すことが多い。けれど、「大人である」私が、たとえば高校生の私を懐かしく思うのと同じように、高校生の私もまた、「大人である」私にひどく恋い焦がれていた。
高校一年生の夏休みに、生まれて初めて髪の毛をブリーチした。ブリーチ剤を頭に塗りたくられて、ラップをぐるぐると巻かれる。60ワットの照明器具然としたドーナツ状の謎の物体が頭の周りをぐるぐると回る。頭皮が燃えるように熱くなり、その熱さが次第に痛みへと変わっていく。昨晩食べた八匹の子持ちししゃものことを思い出す。コンロの中ってこんな感じだろうか。
一時間の耐久の末、憧れのブロンドヘアを手に入れた私は、顔にも年齢にも不釣り合いな濃いメイクに違和感を覚えないほどには浮かれきっていた。大人の女はブロンドヘアが似合う、という類稀なる偏見と理想。そこに若さゆえの超主観的な実行力が加わって、悲しみのブロンドティーンが誕生してしまった。(続く)