人権の法理と統治過程(学術選書 憲法 215)
中村 睦男 著
内容
目次
『人権の法理と統治過程』 中村睦男(北海道大学名誉教授) 著 【目 次】 第1章 人権観念の歴史的展開 Ⅰ 「人権」という用語の意味 Ⅱ 欧米諸国における人権の観念 Ⅲ 明治憲法と人権 Ⅳ 日本国憲法における人権 第2章 私人相互関係と人権 Ⅰ 学説および判例の一般的動向 Ⅱ 近代憲法における人権保障の意義とその変遷 Ⅲ 人権規定を私人間に適用する方法 Ⅳ 人権と私的自治の原則をどう調整するか 第3章 人権規定の第三者効力―書評:芦部信喜著『現代人権論』(有斐閣・1964年) 第4章 法の下の平等と「合理的差別」 はじめに Ⅰ 憲法14条1項の意味 Ⅱ 「合理的差別」と違憲審査基準 Ⅲ 違憲審査基準の検討 第5章 表現の自由と事前規制の合憲性 Ⅰ 事前抑制の理論 Ⅱ 事前抑制の2つの類型 Ⅲ 個別的問題の検討 第6章 教科書執筆と教育の自由・表現の自由 Ⅰ 教科書執筆と教育の自由 Ⅱ 教科書執筆と表現の自由 第7章 国立大学の法人化と大学の自治 はじめに Ⅰ 大学の自治の憲法上の保障 Ⅱ 国立大学法人化の経緯とその概要 Ⅲ 国立大学法人法制の問題点 おわりに 第8章 社会権の法理 Ⅰ 社会権研究の取組み Ⅱ 個別社会権の法的権利性の主張 Ⅲ 社会権の新しい展開 おわりに 第9章 生存と憲法 Ⅰ 生存権の基本的人権としての特質 Ⅱ 生存権の法的性格 Ⅲ 福祉国家と憲法学 Ⅳ 生存権の新しい展開 第10章 福祉国家のゆくえ はじめに Ⅰ 憲法25条の生存権規定の誕生 Ⅱ 生存権の裁判における主張 Ⅲ 福祉国家の観念 Ⅳ 自由権と社会権との調和 第11章 社会権再考 はじめに Ⅰ 日本国憲法制定における社会権規定の成立 Ⅱ 憲法制定初期における学説による社会権の位置づけ Ⅲ 社会権の再検討 Ⅳ 社会権に対する新たな問題の提起 Ⅴ 福祉国家論 おわりに 第12章 フランス憲法における社会権の保障 Ⅰ 第4共和制憲法における社会権の宣言 Ⅱ 第5共和制憲法と憲法院の創設 Ⅲ 憲法院判例による社会権の保障 おわりに 第13章 環境権の国内的および国際的保障 Ⅰ 環境権の主張 Ⅱ 環境権保障のシステム Ⅲ 環境権の確立に向けての問題点 第14章 労 働 権 Ⅰ 総 説 Ⅱ 労働権の内容 Ⅲ 労働の義務 第15章 労働基本権 Ⅰ 総 説 Ⅱ 団 結 権 Ⅲ 団体交渉権 Ⅳ 争 議 権 第16章 統治過程と「民意」―直接民主制的諸制度の運用と諸改革案をめぐって はじめに Ⅰ 直接民主制的制度の運用実態 Ⅱ 直接民主制的制度の改革に関する諸提案 おわりに 第17章 参議院の選挙制度改革 はじめに Ⅰ 両 院 制 Ⅱ 参議院の選挙制度の変遷 Ⅲ 参議院選挙制度改革構想 Ⅳ 地域代表的第二院の合憲性 第18章 内閣の組織,国会に対する連帯責任(第66条) はじめに Ⅰ 内閣の組織 Ⅱ 国務大臣の文民資格 Ⅲ 内閣の連帯責任 第19章 国民の権利実現と違憲審査制 Ⅰ 違憲審査制の現状と憲法訴訟論 Ⅱ 違憲審査権の性格 Ⅲ 最高裁判所に憲法裁判所的性格を付加することの可否 第20章 憲法裁判の現状と課題 はじめに Ⅰ 違憲立法審査権の性格 Ⅱ 事件性の要件と客観訴訟 Ⅲ 違憲の争点を提起しうる当事者適格 Ⅳ 訴の利益とムートネスの法理 Ⅴ 立法の不作為と国家賠償請求訴訟 おわりに 第21章 在宅投票制度廃止違憲訴訟最高裁判決―最高裁昭和60年11月21日第一小法廷判決 Ⅰ 事実の概要 Ⅱ 判 旨 Ⅲ 解 説 第22章 最高裁判所の違憲判決に対する立法府の対応 Ⅰ 法律案を作成する動機 Ⅱ 違憲判決の効力 Ⅲ 最高裁判所の違憲判決に対する対応例 おわりに 第23章 フランス憲法院の機能と役割―国有化法違憲判決を契機に はじめに Ⅰ 憲法院による法律の合憲性審査 Ⅱ 憲法院の裁判機関としての性格 Ⅲ 国有化法違憲判決の概要 第24章 フランスにおける私学助成をめぐる憲法問題 はじめに Ⅰ 私学助成の仕組み Ⅱ 憲法上の論点の検討 おわりに 第25章 私学助成の合憲性 はじめに Ⅰ 憲法89条の制定と政府・議会の解釈 Ⅱ 私学助成の推移と実態 Ⅲ 政教分離原則と私学助成 Ⅳ 憲法89条後段と私学助成 第26章 憲法からみた地方分権 はじめに Ⅰ 憲法と地方自治 Ⅱ 憲法と地方分権推進法 Ⅲ 二層制と道州制 第27章 現代国際社会と条約の国内法的効力 はじめに Ⅰ 問題の所在 Ⅱ 憲法と条約 Ⅲ 条約と法律 第28章 憲法改正論50年と憲法学 はじめに Ⅰ 憲法施行直後の憲法改正論 Ⅱ 全面改正論の登場 Ⅲ 憲法調査会報告書の提出 Ⅳ 1980年代の憲法改正論議 Ⅴ 最近の憲法改正論議 ・初出一覧 ・中村睦男教授の経歴と業績 中村睦男先生の憲法学の全体像に迫る―本論文集を読解することの意義〔岡田信弘〕