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玉藻前アンソロジー<殺之巻>

朝里 樹  著

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価格 \2,090(税込)         
発行年月 2021年07月
出版社/提供元
文学通信
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 374p
大きさ 21cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/日本文学
ISBN 9784909658593
商品コード 1033501546
NDC分類 918
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2021年09月1週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1033501546

著者紹介

朝里 樹(著者):怪異・妖怪研究家。1990年北海道生まれ。法政大学文学部卒業。
在野研究者として怪異談の収集・研究を行う。
著書に、『日本現代怪異事典』『日本現代怪異事典 副読本』(笠間書院)、「好きなものに取り憑かれて」(荒木優太編著『在野研究ビギナーズ』明石書店)、『歴史人物怪異談事典』(幻冬舎)、『1日1話、つい読みたくなる世界のミステリーと怪異366』(監修、徳間書店)、『大迫力!禁断の都市伝説大百科』(監修、西東社)、『放課後ゆ〜れい部の事件ファイル たったふたりのヒミツのクラブ』(集英社みらい文庫)、『21世紀日本怪異ガイド100』(星海社新書)など。@asazato4

内容

世界が始まり、悪狐が目覚める――。
人間離れした美貌を持ち、人を超えた才知をほこり、数千数万の軍隊を相手に戦うことができる強さを持つ、伝説上、最「恐」のヒロイン、玉藻前(たまものまえ)。しかし本邦には玉藻前を扱った作品が膨大に存在するにもかかわらず、広く読める現代語訳がありません。
本書は大の玉藻前好きであった著者が、「誰でも玉藻前に触れることができ、彼女の魅力を広めることができるならば」と、膨大な作品群を現代語訳で編んだアンソロジーです。

玉藻前の日本における活躍とその死後を描いた御伽草子『玉藻の草子』。殺生石と化した後、玉藻前の魂の救済を描いた謡曲『殺生石』。世界の始まりとともに生まれ、世界を魔界に堕とすため、中国、インド、日本の三国に渡った九尾の狐の暗躍とその脅威を描いた読本『絵本三国妖婦伝』。玉藻前が殺生石と化した後、その魂が救われるまでの空白の期間に起きた玉藻前に纏わる事件を描いた合巻『糸車九尾狐』。殺生石説話の主役である源翁和尚と殺生石に纏わる話を記した戦記物語『那須記』。

これらを現代語訳でお届けします。
付録エッセイに、「狐の窓」大屋多詠子(青山学院大学文学部教授)収録。

【玉藻前にはさまざまな魅力があります。
天地開闢(世界の始まりのこと。天と地が初めてできたこと)とともに生まれ、平安時代まで生き続け、死後、殺生石と化しても害をなし続けたしぶとさ。
この世を魔界に堕とそうとする大きな目的。
権力に取り入り、次々と国を滅ぼすほどの人間離れした美貌。
あらゆる事物に精通し、どんな問いにも明確に答えを返す、人を超えた才知。
神通力を自在に操り、生身でも数千数万の軍隊を相手に戦うことができる強大さ。
玄翁和尚の説法に己が仏心を受け入れ、善心を得て悪事をなすことを止めた最後。
そして中世から現在に至るまで、さまざまな物語の中でキャラクターのモチーフとなり、生き続けるその人気。
彼女には、私にとっての好きな要素が詰まっているのです。】

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