みわたす・つなげる自然地理学
内容
目次
1 自然地理学とはどんな学問か? 身近な自然への疑問/系統地理学と地誌学/ 高校までの地理と大学の地理学/総合科学としての地理学/ フンボルトと自然地理学/自然の全体像をとらえる自然地理学/ 自然地理学における時空間スケール/自然環境と人間社会とのかかわり 2 内的営力による地形の変化 摩天楼の足元/地質年代/大陸移動説からプレートテクトニクスへ/ プルームテクトニクス/内的営力によって生じる地形/ 大地溝帯の形成-離れあう場所/ヒマラヤ山脈の誕生-近づきあう場所/ サンアンドレアス断層-すれ違いの場所 3 火山噴出物と地形 火山と神話・信仰/火山とは/火山ができる場所/火山噴出物/ 様々な噴火様式と火山地形/日本列島周辺における大規模噴火/ 巨大噴火と人類 4 地表の変化-風化・侵食・土壌化 クイーンズヘッドの運命/風化とは/風化から侵食へ/土壌とは/ 土壌の分類と分布/日本の土壌/成帯土壌と間帯土壌/土壌をめぐる問題 5 段丘・丘陵 崖と坂の町/段丘の定義と分類/丘陵とは/河成段丘の形成過程/ 海成段丘の形成過程/関東平野西部の地形・地質/ 武蔵野台地の地形・地質と水/濃尾平野南東部の地形・地質/ 段丘地形の共通性と差異/丘陵の地形特性と土地利用 6 沖積平野の特徴と形成過程 「新しい」地形/地形の分類/地形発達史-どのように形成されたのか/ 歴史時代における地形変化/現在の沖積平野における居住 7 世界の気候とその成り立ち 気候をカタチづくるもの/放射収支と地球の温度/大気循環と世界の気候/ 海陸分布や地形に影響を受ける気候/世界の温度分布と降水量分布 8 身近な気候と人々の暮らし 気候とかかわる生活文化/気候の寒暖と生活文化/ 限られた水資源と乾燥地の暮らし/日本の気候 9 気候と生物群系 気候と生物/生物群系(バイオーム)とその地理的分布/ 気候と対応する日本の植生分布/地形に影響を受ける植生/ 植生分布にかかわるその他の要因 10 水文環境 資源としての水/地球の水の量とその循環/海水の特徴/海洋循環/ 天然の巨大貯水タンクとしての氷河・氷床/地表水と地下水/湧水/ 水の性質(塩分濃度による区分,pH による区分,硬度による区分) 11 気候変動の環境史 緑のサハラ/地球の寒暖を決定づける要因/ 過去の気候をどのように復元するのか/明らかになった気候変動/ 短間隔で生じる気候変動/歴史時代の気候変動/歴史時代の気候を調べる/ 現在の「地球温暖化」 12 海面変動 貝塚と海面変動/氷河・氷床が融けると海面は上昇するのか/海面変動史/ 「海進」と「海退」/縄文海進の世界/現在の海面上昇をどう考えるか 13 地震・津波・火山噴火 海底に沈んだ都市/地震の起こる場所/活断層とは/ 地震による津波発生メカニズム/地震による被害/繰り返す地震/ 火山災害の実例と備え 14 気象災害 浮世絵に描かれた水害対策/水害リスクが高い日本/大雨の原因/洪水災害/ 土砂災害/水害への備え/その他の気象災害 15 自然地理学を学ぶ意義 自然の全体像の理解/自然地理学の「みわたす力」と「つなげる力」/ 自然地理学を学ぶ意義と社会貢献/自然地理学を学んだ人たちの進路