著者紹介
立川 武蔵(著者):国立民族学博物館名誉教授。
愛知県名古屋市生まれ。東海高等学校を経て、1964年名古屋大学文学部インド哲学専攻卒。1967年同大学院博士課程中退、1970年ハーバード大学大学院インド学科博士課程単位取得退学。
1975年The structure of the world in Udayana's realismにより同大学Ph.D、1985年「中論の思想」で名古屋大学文学博士。
名古屋大学、総合研究大学院大学、国立民族学博物館、愛知学院大学教授を歴任。
比較宗教学、インド宗教思想史、仏教学、主として仏教、ヒンドゥー教をその原典に立ち返って解釈する仕事を行っている。
『はじめてのインド哲学』(講談社)、『弥勒の来た道』(NHK出版)『仏教原論 ブッディスト・セオロジー完全版』(KADOKAWA)、『ブッダをたずねて 仏教二五〇〇年の歴史』(集英社)他著書多数。
内容
仏教はどう広がったか?
その実像を明らかにする。
世界各地のフィールド調査と圧倒的な図像で、全仏教史を俯瞰することによって、仏教の特質を解明。
長年にわたる著者の仏教研究の集大成。
第2巻はスリランカ、東南アジア、中央アジア、中国、朝鮮半島、日本の仏教を主なテーマに展開。
それぞれの国への仏教伝来。
土着文化と融合して現在に至るまでの変遷。
日本においては、仏教伝来、密教が本格化した最澄・空海の時代、浄土教の普及、そして近現代の仏教。
最後に豊富な図像より、その深層にある歴史観・宗教観を紐解いていきます。
仏教思想を深く知り、一層理解を深める作品です。
【目次】
第3章 スリランカと東南アジアの仏教
1 スリランカの仏教
2 東南アジアのヒンドゥー教と仏教
3 インドネシアの仏教
4 ミャンマーの仏教
5 タイの仏教
6 カンボジアの仏教
7 ラオスの仏教
第4章 中央アジアと中国の仏教
1 中央アジアの仏教
2 中国の仏教と「否定の手」
3 中国における仏教の受容ー鳩摩羅什の「諸法実相」
4 初期仏教における翻訳経典と浄土教
5 天台仏教の思想ー日本天台宗の源
6 玄奘の足跡と華厳仏教
7 『大日経』と胎蔵マンダラー唐代の密教1
8 『金剛頂経』と金剛界マンダラー唐代の密教2
9 中国における禅
10 現代の仏教寺院
第5章 朝鮮半島と日本の仏教
1 朝鮮半島の仏教
2 韓国のほとけたち
3 日本の仏教
4 最澄と日本仏教の転換
5 空海の生涯と修行
6 日本仏教の儀礼
7 日本の浄土教
8 日本の禅仏教ー栄西と道元
9 近・現代の浄土教
10 第二次世界大戦と仏教思想
第6章 仏教のイコノロジー
1 仏塔の歴史
2 鬼瓦の源キールティムカ(カーラ)
3 鯱になった海獣マカラ
4 観音信仰
5 弥勒の来た道