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赤ちゃん審査会というメディア・イベント~写真帖が語る近代日本の児童保護と社会事業~

大出春江  著

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価格 \6,380(税込)         
発行年月 2022年02月
出版社/提供元
大阪大学出版会
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 363p
大きさ 26cm
ジャンル 和書/生命科学、医学、農学/社会医学/小児・母子衛生学
ISBN 9784872597547
商品コード 1034359566
NDC分類 498.7
基本件名 小児衛生-歴史
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2022年04月3週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034359566

著者紹介

大出春江(著者):大妻女子大学人間関係学部教授。専攻は社会学。
主著に『産婆と産院の日本近代 』(青弓社、二〇一八年)、編著に『看取りの文化とケアの社会学』(梓出版社、二〇一二年)、共著に『産み育てと助産の歴史――近代化の200年をふり返る』(医学書院、二〇一六年)、『歴史と向きあう社会学――資料・表象・経験』(ミネルヴァ書房、二〇一五年)など。

内容

「児童愛護」はいかにして「優生思想」に結びついたのか。

戦前に健康な乳幼児を表彰する、「赤ちゃん審査会」というイベントが大阪府堺市で開催されていた――貧困者救済事業から社会事業への変遷、太平洋戦争下の1942年までの激動の15年間を、「堺市赤ちゃん審査会 記念写真帖」を通して定点観測する。

***

本書は、乳幼児保護を目的として戦前に大阪府堺市で開催された「赤ちゃん審査会」の記録写真帖の復刻、およびこのメディア・イベントの社会的背景、担い手、および意義を歴史社会学的に考察した論考の二部からなる。貴重な記録写真とそれに基づく考察を通し、日本の近代化と戦時体制への人々の動員と社会変化を理解することができるだろう。
 具体的には、近代化に伴う「衛生」「健康」概念の普及活動、そして近代的な出産と育児を教育する担い手となった産婆(助産婦)の実践を通して、戦前日本における人びとがどのようにして衛生観念を身につけ日常知としていったのか、そのために国家や医師はどのような手段を用いて乳幼児死亡率の低下と人口増加を達成しようとしたのか、その媒介となった産婆の果たした役割に焦点を当て考察する。

目次