KNOWLEDGE WORKER ナレッジワーカー



書評掲載
丸善のおすすめ度

ウトロここで生き、ここで死ぬ

中村 一成  著

在庫状況 有り  僅少 お届け予定日 3~4日 
価格 \3,080(税込)         
発行年月 2022年04月
出版社/提供元
三一書房
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 349p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/社会科学/経済学/労働経済・人口
ISBN 9784380220036
商品コード 1034434279
NDC分類 334.41
基本件名 朝鮮人(日本在留)-歴史
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2022年06月1週
書評掲載誌 毎日新聞 2022/06/04
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034434279

著者紹介

中村 一成(著者):中村一成(なかむら・いるそん)
ジャーナリスト。1969年生まれ。毎日新聞記者を経て2011年からフリー。
在日朝鮮人や移住者、難民を取り巻く問題や、死刑が主なテーマ。映画評の執筆も続けている。
著書に『声を刻む 在日無年金訴訟をめぐる人々』(インパクト出版会、2005年)、『ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件――<ヘイトクライム>に抗して』(岩波書店、2014年)、『ルポ 思想としての朝鮮籍』(岩波書店、2017年)、『映画でみる移民/難民/レイシズム』(影書房、2019年)、『「共生」を求めて 在日とともに歩んだ半世紀』(編著、田中宏著、解放出版社、2019年)など。

内容

マイノリティが「お上品」に生きられるほど、ウトロを取り巻く日本社会は優しくない。
彼彼女らの「闘い」は、この社会が不正で成り立っている事実、欺瞞を暴いてもいた……

私が地区に通い始めて20年が過ぎた。
一世は全員鬼籍に入った。多くの二世ともお別れした。ウトロの歴史を目撃してきた飯場跡や集会所、南端のフェンスなど、地区内にあった、
あるいは今も存在する幾つかの物言わぬ「証人たち」を訪ね、そこにまつわる人々の記憶を掘り起こし、彼彼女らの記録として残したい。
それは、ウトロの人々から少なからぬ時間と言葉を頂戴した者の一人としての義務でもある……

かつて地区の玄関に立てかけられた看板の文言を思い出す。打つ手がなくなった2002年、それでも闘い抜くと決めた団結集会で採択された集会宣言である。
住民たちの記憶と願いを撚り合わせ、今後の闘いの肝を記した宣言「オモニの歌」は、この言葉で結ばれた――

「われら、住んでたたかう」。

止めどなく後退していくこの世界で、様々な位相で、とどまって、闘い抜いた者たち。本著はその記録である。

目次