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衡平な大学入試を求めて~カリフォルニア大学とアファーマティブ・アクション~

ジョン・A. ダグラス  著

木村 拓也  監修
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \3,300(税込)         
発行年月 2022年08月
出版社/提供元
九州大学出版会
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 9p,439p
大きさ 21cm
ジャンル 和書/社会科学/教育学/就学前教育・学校教育・生涯教育・家庭教育
ISBN 9784798503356
商品コード 1034685436
NDC分類 377.28
基本件名 カリフォルニア大学
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2022年08月4週
書評掲載誌 読売新聞 2022/10/02、朝日新聞 2022/10/15
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034685436

著者紹介

ジョン・A. ダグラス(著者):カリフォルニア大学バークレー校高等教育センター(CSHE)シニア・リサーチフェロー、研究教授(公共政策・高等教育)。

主要著書
Neo-Nationalism and Universities (Johns Hopkins University Press, 2021)
The California Idea and American Higher Education (Stanford University Press, 2000)
木村 拓也(監修):九州大学大学院人間環境学研究院教授(教育社会学)。
独立行政法人大学入試センター研究開発部教授(クロスアポイントメント)。

主要編著書
『学習成果の可視化と内部質保証  日本型IRの課題  』 (共編、玉川大学出版部、2021)
『拡大する社会格差に挑む教育』(シリーズ 日本の教育を問いなおす 1、共編、東信堂、2010)
『混迷する評価の時代  教育評価を根底から問う  』(シリーズ 日本の教育を問いなおす 2、共編、東信堂、2010)

内容

アメリカでは、州の予算によって設立された州立大学は州に対して一定の社会契約を果たさなければならない、という考えがある。その社会契約の一つに、特定の学力条件を満たした州民であれば誰でも州立大学に入学できる、という進歩的な理念と制度があり、各州で公立大学が設立されて以降、アメリカ社会の形成に大きく寄与してきた。

本書は、アメリカ最大にして、最も選抜制の高い公立研究大学であるカリフォルニア大学において、公的機関の目的と将来に関する歴史的・今日的課題を包括的に論証したものである。その内容は人種、ジェンダーおよび出身階級などにより大きく影響を受けることになる大学への衡平なアクセスに関する議論と実践、大学自治を巡る攻防、標準化テストの導入への対応、さらには民営化とグローバリゼーションが大学に与える影響など、多岐にわたる。

アメリカは世界に先駆けて高等教育の大衆化を実現させてきたが、今日においては大学へのアクセスと卒業率は低下し、特に若い学生の間でそのことが顕著になっている。またEUやOECDの主要加盟国、中国、インドなどの新興経済大国からも高等教育制度改革の分野で挑戦を受けていると著者は警告をしている。質が高く、アクセスが保証されている高等教育システムという「アメリカの優位性」は、グローバル経済の中で今後も維持していくことができるのか。わが国の高等教育改革を論じていくうえでも、カリフォルニア大学の実践は貴重な知見を与えてくれるだろう。

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