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哲学の門前

吉川浩満  著

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価格 \1,980(税込)         
発行年月 2022年08月
出版社/提供元
紀伊國屋書店出版部
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 269p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/哲学/概論・参考図書
ISBN 9784314011938
商品コード 1034711438
NDC分類 104
基本件名 哲学
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2022年10月2週
書評掲載誌 産経新聞 2022/09/25、日本経済新聞 2022/10/15
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034711438

著者紹介

吉川浩満(著者):【著者】吉川浩満(よしかわ・ひろみつ)
1972年鳥取県米子市生まれ。文筆家・編集者・ユーチューバー。慶應義塾大学総合政策学部卒業。YouTubeチャンネル「哲学の劇場」を、山本貴光とともに主宰している。著書に『理不尽な進化 増補新版』(ちくま文庫)、『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(河出書房新社)、山本との共著に『人文的、あまりに人文的――古代ローマからマルチバースまでブックガイド20講+α』(本の雑誌社)、『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。―― 古代ローマの大賢人の教え』(筑摩書房)、『脳がわかれば心がわかるか――脳科学リテラシー養成講座』(太田出版)、『問題がモンダイなのだ』(ちくまプリマー新書)があり、山本との共訳に、サール『MiND 心の哲学』(ちくま学芸文庫)、セットガスト『先史学者プラトン――紀元前一万年―五千年の神話と考古学』(朝日出版社)がある。

内容

入門しなくていい。門前で楽しめばよいのだ。
自伝的エピソードの断片と哲学的思考が交差して織りなす、画期的な「哲学門前書」の誕生。

十九歳の夏にニューヨークで出会ったタクシードライバーとの会話、伯父の死に涙する祖母を慰めた夜、読書会で生じた環境型セクシュアルハラスメントの後悔、新卒で勤めた国書刊行会で接した個性的な面々、創業間もないヤフーでの目の回るような忙しさ、デビュー作『心脳問題』を山本貴光と書いた日々――

文筆家・編集者・ユーチューバーとして活躍する著者が、コミュニケーションや政治、性、仕事、友人関係などをテーマに、暮らしのなかで生じる哲学との出会いや付き合い方について、体験談を交えて考察する、ユニークな随筆集。
相棒・山本貴光氏による「吉川浩満くんのこと」収録。

   * * *

日々、新たな哲学入門書が刊行されています。こんなにたくさんの入門書が世に出るのは、哲学には入門の手続きが必要だという信念が存在するからです。なぜそれが必要なのかといえば、哲学というものがあまりに多様で、ときとしてあまりに難解だからでしょう。どちらもある意味では本当のことです。だから哲学入門書はつとめてやさしい言葉で書かれています。

とはいえ、いったいどうなったら哲学に入門できたことになるのでしょうか。やさしい入門書を読み終えたとして、それでめでたく入門できたと実感したことや、門をくぐる許しが得られたと満足したことがあるでしょうか。一知半解なまま数多の入門書を渡り歩く「入門書流民」を続けるうち、哲学に対して見果てぬ夢のような感覚がわきあがってくることはないでしょうか。
(第7章「哲学 reprise」より)

   * * *

【目次】

はじめに

1 哲学
Call me Ishmael
哲学のはじまり(と終わり)

2 ディス/コミュニケーション
ゴムボートとタイタニック
人間っぽいAIとAIっぽい人間
コミュ障についての小話

3 政治
伯父の帰国運動
右でも左でもある普通でない日本人

4 性
削除された世界の起源
空ばかり見ていた

《幕間》君と世界の戦いでは Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ

5 仕事
勤労日記(抄)
私の履歴書
複業とアーレント

6 友だち
山本貴光くんのこと
友だち、遊び、哲学
吉川浩満くんのこと(山本貴光)

7 哲学 reprise
門前の哲学

あとがき

目次