実践国際法 第3版(法律学講座 15)
小松 一郎 著
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内容
目次
『実践国際法(第3版)(法律学講座)』 小松一郎(元内閣法制局長官) 著 【目 次】 第3版 はしがき(鯰 博行) 第2版 はしがき(秋葉剛男) は し が き(小松一郎) 第1章 外交実務で「国際法を使う」ということ Ⅰ 今日の外交と「国際社会における法の支配」 1 グローバル化、デジタル化の進展と国家 2 国際社会における「法の支配」 Ⅱ 外交実務の具体例から「国際法を使う」ことの意味を考える:新型コロナ感染症対策に国際法はどう役に立ったのか 1 外交政策の実施と国際法担当実務者の役割 2 ダイアモンド・プリンセス号船内における新型コロナウイルス感染拡大(事実関係) 3 国際法上の論点その1:多数の感染者を乗せたDP号の横浜港入港は国際法違反か (1) 国際法は基本的に「国家と国家の関係」を規律する/(2) 国際法の最重要の役割の一つは「国家管轄権の配分・調整」 4 国際法上の論点その2:国際法上、どの国がどのような権利、義務、責任を負うのか (1) 沿岸国の権利・義務/(2) 旗国の権利・義務/(3) 運航者の所属する国の権利・義務/(4) 乗客、乗員の国籍国の権利・義務/(5) 各国の責任 5 国際法上の論点その3:国際法を使って何ができるのか 6 国際法上の論点その4:国際裁判の可能性 第2章 国家管轄権 Ⅰ 概 説 1 国際法における国家管轄権の重要性 2 国家管轄権の域外適用 (1) 管轄権の域外適用とは何か/(2) どのような管轄権の域外適用が許容されるのか(基本的考え方) 3 国家管轄権の作用上の分類と域外適用 (1) 二分法による分類と三分法による分類/(2) 執行管轄権の域外適用/(3) 立法管轄権の域外適用 4 国家管轄権の競合とその調整 Ⅱ 国家管轄権の根拠 1 属地主義 2 国籍主義(積極的属人主義) 3 消極的属人主義 4 保護主義 5 普遍主義 6 条約に基づく国家管轄権 7 効果主義理論をめぐる論争 Ⅲ 領土紛争と属地的管轄権:日本の実務における処理 1 北方四島への日本国民の入域 2 北方四島における共同経済活動 3 日ソ(日露)漁業関係 Ⅳ 属地的管轄権の原則的な優位の例外(主権免除等) 1 属地的管轄権の適用・執行に対する制限 2 主権免除 (1) 主権免除とは何か/(2) 絶対免除主義と制限免除主義/(3) 条約によるルールの明確化の努力/(4) 日本と主権免除 3 外交官等が享有する免除 4 国際機関が享受する免除 第3章 国 家 Ⅰ 国際法における国家の特別の地位 Ⅱ 国家である要件 Ⅲ 国家承認 1 国家承認の意義 (1) 国家承認制度/(2) 国家承認の法的効果/(3) 国家承認と外交関係開設/(4) 国家承認を行う義務・尚早の承認/(5) 不承認主義等/(6) 最近の国家の分離・独立等 2 国家承認の方式 3 国家承認に関連する日本の実務における処理 (1) 国家承認に係る実務上の手続/(2) 日本の実務における未承認国の取扱い/(3) 韓国と国家承認/(4) 北朝鮮と国家承認/(5) 国交正常化等の意味 Ⅳ 政府承認 1 政府承認の意義 (1) 政府承認制度/(2) 政府承認制度廃止論/(3) 亡命政府 2 政府承認に関連する日本の実務における処理 (1) 政府承認に係る実務上の手続/(2) 日中国交正常化 Ⅴ 国家の基本的権利・義務 1 主権平等 2 領土保全 3 不干渉義務 Ⅵ 国家の領域 1 領域権原とその類型 (1) 先占/(2) 添付/(3) 割譲/(4) 征服 2 時際法と決定的期日 Ⅶ 国家承継 第4章 海 洋 Ⅰ 海洋の重要性と海洋政策 1 海洋と人間とのかかわり 2 「海洋国家戦略」から「海洋政策」へ 3 日本の「海洋政策」 Ⅱ 歴史的に概観した海洋法秩序 1 「海洋の自由」と「領海・公海の二元的海洋秩序」 2 海洋法の法典化と現代海洋法秩序 (1) 第一次国連海洋法会議と1958年ジュネーブ海洋法四条約/(2) 第二次国連海洋法会議/(3) 第三次国連海洋法会議と国連海洋法条約 Ⅲ 内 水 1 内水の定義と法的地位 2 湾 3 河 口 部 4 内水に関連する日本の実務における処理:瀬戸内海の地位 Ⅳ 領 海 1 領海の定義と法的地位 2 無害通航権 3 国際海峡 4 群島水域 5 領海に関連する日本の実務における処理 (1) 直線基線の採用とそれに伴う問題/(2) 特定海域(いわゆる「領海3海里凍結」)/(3) 通航の「無害性」の判断に係る日本国政府の立場/(4) 通航に当たらない行為の取締り Ⅴ 接続水域 1 接続水域の定義と法的地位 2 接続水域に関連する日本の実務における処理 Ⅵ 排他的経済水域 1 「領海・公海の二元的海洋秩序」の変容の象徴としての排他的経済水域 2 排他的経済水域の定義と法的地位 3 排他的経済水域における漁業資源の保存・管理 (1) 資源の最適利用と余剰原則/(2) 特定魚種等の保存・管理/(3) 漁業の取締り 4 島の制度 5 排他的経済水域に関連する日本の実務における処理 (1) 漁業資源の保存・管理/(2) 島と排他的経済水域 Ⅶ 大 陸 棚 1 大陸棚の定義と法的地位 2 大陸棚に関連する日本の実務における処理 (1) 大陸棚で資源開発する外国企業に対する課税/(2) 韓国との大陸棚境界画定と大陸棚共同開発 Ⅷ 公 海 1 公海の定義と法的地位 2 公海自由の原則 3 旗国主義 (1) 旗国主義の意義/(2) 旗国主義の例外/(3) 船舶の国籍と便宜置籍船 4 公海漁業の規制 5 海洋環境の保護・保全 Ⅸ 深 海 底 Ⅹ 海洋の科学的調査 Ⅺ 日本周辺の海洋秩序をめぐる実務上の課題 1 漁業秩序の枠組み構築 2 海洋の科学的調査をめぐる問題 3 東シナ海におけるガス・油田開発問題 (1) 事実関係の概要/(2) 境界画定に関する日中両国の主張/(3) 国際判例の動向/(4) 中越間のトンキン湾海洋境界画定 第5章 その他の地域・空間 Ⅰ 空 域 1 領 空 (1) 領域上空に対する領域国の国家管轄権/(2) 領空の限界/(3) 領空侵犯とそれに対する対処/(4) 防空識別圏(ADIZ) 2 国際民間航空事業 (1) 不定期航空と定期航空/(2) 二国間航空協定/(3) 国際航空運送における運送人の民事責任 3 空域に関連する日本の実務における処理 (1) 航空自衛隊と領空侵犯対処措置/(2) 政府専用機の地位/(3) 日本と台湾の防空識別圏の境界問題/(4) 北朝鮮弾道ミサイルの日本上空通過/(5) 中国による「東シナ海防空識別区」の設定 Ⅱ 宇宙空間・天体 1 宇宙空間の地位 (1) 宇宙条約とこれを補足する諸条約/(2) 宇宙条約の定める基本原則 2 宇宙活動の規制と国家管轄権 3 宇宙活動に起因する損害と国家責任 4 日本の実務における処理:宇宙の平和利用と国会決議 Ⅲ 国際化地域 1 信託統治地域 2 極 地 (1) セクター主義に基づく領有権主張/(2) 南極条約体制 3 国際河川・国際運河 4 国際化地域に関連する日本の実務における処理 (1) 返還前の沖縄等の法的地位/(2) 在日米軍施設・区域/(3) 南極海での日本の調査捕鯨の差止めを求める豪州国内裁判所における民事訴訟 Ⅳ サイバー行動に適用される国際法 1 サイバー「空間」と国際法 2 有害なサイバー行動の規制 3 データの移動の自由と規制のバランス 第6章 国際法と個人 Ⅰ 現代国際法における個人の重要性の増大 Ⅱ 国 籍 1 国際法における国籍の意義と機能 2 国籍の決定 3 国籍の抵触 4 法人等の国籍 5 国籍に関連する日本の実務における処理 Ⅲ 外国人の法的地位 1 国家が自国領域内の外国人に対して負う義務 2 外交的保護権 (1) 他国領域内における自国民の権利保護/(2) 外交的保護権行使の要件/(3) 外国資産の強制収用 3 外国人の出入国と難民の保護 (1) 外国人の出入国と在留/(2) 難民の保護 4 外国人の法的地位に関連する日本の実務における処理 (1) 外国人の法的地位に関する日本の法制とその運用(主要判例)/(2) 相互査証免除取り決め/(3) 「条約難民」と「政策難民」/(4) 日本が締結した平和条約等における請求権処理条項と外交的保護権 Ⅳ 「国際的な犯罪」の取締りと処罰 1 「国家責任」と「個人の刑事責任」 2 「国際的な犯罪」の類型 (1) 「国際的な犯罪」をめぐる歴史的沿革/(2) 外国性を有する犯罪/(3) 諸国の共通利益を害する犯罪/(4) 国際法違反の犯罪 3 個人の犯罪に係る「不処罰の防止」と国際協力 (1) 犯罪の「不処罰の防止」/(2) 「不処罰の防止」と逃亡犯罪人引渡し/(3) 現代の逃亡犯罪人引渡制度の特色 4 国際刑事裁判所 (1) 国際刑事裁判所の設立に向けた胎動/(2) 旧ユーゴ国際刑事裁判所・ルワンダ国際刑事裁判所/(3) ローマ規程の成立と国際刑事裁判所の誕生/(4) ローマ規程検討会議と「侵略犯罪」/(5) 国際刑事裁判所の今後の課題 5 犯罪人引渡等に関する日本の実務における処理 (1) 中国民航機ハイジャック事案/(2) いわゆる「代理処罰」 Ⅴ 人権の国際的保障 1 国際的な人権保障の沿革 2 国連憲章体制の下での人権保障 (1) 国連憲章/(2) 世界人権宣言/(3) 国際人権規約/(4) 人権保障強化のための個別条約/(5) 第三世代の人権 3 人権条約の履行確保 (1) 人権条約の履行確保の特色/(2) 国際機関の行政的手続き/(3) 準司法的手続き/(4) 司法的手続き 4 人権条約に関連する日本の実務における処理 (1) 日本の裁判所による人権条約の適用/(2) 日本と個人通報制度 第7章 国際法と国際機関 Ⅰ 現代国際法における国際機関の重要性の増大 1 歴史的沿革 2 国際機関とは何か Ⅱ 国際法における国際機関の地位 1 現代国際法における「国際法主体性」の広がりと国際機関 2 国際機関の「国際法上の法人格」と「国内法上の法人格」 (1) 国際機関の「国際法上の法人格」/(2) 国際機関の「国内法上の法人格」 Ⅲ 国際機関による自立的意思決定 Ⅳ 国際機関の条約締結権限 Ⅴ 国際機関の特権・免除 Ⅵ 国際機関の国際責任 Ⅶ 国際機関に関連する日本の実務における処理 1 国連大学の日本法上の地位 2 朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO) 第8章 条約その他の国際約束 Ⅰ 条約その他の国際約束とは何か 1 慣習国際法と条約 2 条約の種類 (1) 締約国の数/(2) 立法条約と契約条約/(3) 条約の標題(名称)/(4) 各国の憲法上の締結手続との関係に照らした区別 3 各国の国内法における条約の効力 4 国際約束 (1) 「国際約束」とは何か/(2) 「国際約束である文書」と「国際約束でない文書」 Ⅱ 日本国憲法と国際約束締結事務 1 国際約束の締結と外務省の役割 (1) 外交権限の内閣への帰属と「分担管理の原則」/(2) 司法府の権限との関係 2 国会承認条約と行政取極 3 「国際的なルール造り」への参加と貢献 4 条約の締結による国内法の補完(自動執行力のある条約) Ⅲ 条約その他の国際約束の締結・効力・解釈等に関する規則(条約法) 1 概 説 2 条約案文の交渉と条約文の採択・確定 (1) 条約案文の交渉と条約文の採択/(2) 条約文の確定/(3) 署名の意義/(4) 署名権限/(5) 条約の正文 3 条約に拘束される意思の表明 (1) 条約に拘束される意思を表明する方法/(2) 批准 4 条約の効力発生 (1) 条約の締結と効力発生/(2) 条約の暫定的適用 5 条約の登録 6 条約の解釈と適用 7 留保・解釈宣言 (1) 留保制度の意義と実務における運用/(2) 解釈宣言 8 条約の無効・終了・運用停止 (1) 条約の無効原因/(2) 条約の終了・廃棄・脱退・運用停止 9 条約と第三国 Ⅳ 条約その他の国際約束の承継 1 国家承継 2 条約承継条約 3 条約その他の国際約束の承継に関連する日本の実務における処理 (1) ドイツ統一/(2) 旧ソ連邦解体/(3) 旧ユーゴスラビア解体/(4) 旧チェコ・スロバキア解体 第9章 外交・領事関係 Ⅰ 外交・領事関係法の特質 Ⅱ 外交関係制度 1 外交関係の開設 2 外交使節団の派遣と接受 (1) 常駐外交使節団の派遣と接受/(2) 兼轄常駐外交使節団/(3) 常駐外交使節団の長の派遣とアグレマン/(4) 第三国の利益の保護/(5) 外交使節団の構成員/(6) ペルソ