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当たり前の日常を手に入れるために~性搾取社会を生きる私たちの闘い~

奥田 知志, 金澤 信之, 川村 百合, 仁藤 夢乃, 細金 和子, 森川 和加子  著

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価格 \2,200(税込)         
発行年月 2022年09月
出版社/提供元
影書房
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 341p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/社会科学/社会学/社会問題・社会運動
ISBN 9784877144920
商品コード 1034809102
NDC分類 368.71
基本件名 青少年問題
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2022年10月2週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034809102

著者紹介

奥田 知志(著者):牧師。北九州市において生活困窮者への伴走支援を行なっている認定NPO法人 抱樸理事長。学生時代から 「ホームレス」支援に携わる。現在、東日本大震災被災者支援「共生地域創造財団」理事長なども兼任。2015年から一般社団法人Colabo理事。
金澤 信之(著者):元神奈川県立田奈高等学校教諭(2008年4月~2018年3月)。定年までの10年間、県立田奈高校において、外部人材と外部資源を校内に取り入れるなどの新たなキャリア支援の仕組みづくりと運営を担当し、複数の困難を有する生徒の支援を行なった。
川村 百合(著者):1997年に弁護士登録(東京弁護士会)した後、一般民事事件や家事事件を中心に弁護士業務を行ないながら、子どもの権利擁護活動に取り組む。2008年~2012年に日本弁護士連合会子どもの権利委員会事務局長を務めるなど、弁護士会の役職も多い。
仁藤 夢乃(著者):一般社団法人Colabo代表。1989年生まれ。中高生時代に街をさまよう生活を送った経験から、行き場のない少女たちへの夜の街でのアウトリーチ、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供など、10代女性を支える活動を行なっている。また、虐待や性暴力被害を経験した10代の女性たちとともにアウトリーチや、「私たちは『買われた』展」の開催など、虐待や性搾取の実態を伝える活動も行なっている。
著書に、『難民高校生 絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』(英治出版・2013年、ちくま文庫2016年)、『女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち』(光文社新書・2014年)ほか多数。
受賞歴として、2015年「エイボン女性年度賞」、日経ビジネス「次代を創る100人」、文藝春秋「日本を代表する女性120人」、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー「若手リーダー部門」、2019年「Forbes Under30 Asia 2019社会起業家部門」、2021年「国際女性デー | HAPPY WOMAN AWARD 2021 for SDGs」など。
細金 和子(著者):婦人保護施設である社会福祉法人慈愛会・慈愛寮元施設長。保育園保育士、女性相談センター電話相談員、母子生活支援施設母子支援員、慈愛寮支援員を経て、2006年~2016年まで慈愛寮施設長を務める。現在、慈愛寮を運営する社会福祉法人慈愛会理事。2016年から一般社団法人Colabo理事。
森川 和加子(著者):2016年からColaboでボランティアを始め、18年7月からスタッフとして活動に参加。バスカフェでのアウトリーチや、シェアハウスで暮らす女の子たちの暮らしを支える活動を行なっている。

内容

「行き場のない私に真っ先に声をかけてきたのは、買春者か性搾取業者でした」
日本では、虐待や貧困などで行き場を失い性被害に遭うなどして困っている若年女性が、自分から公的な機関へ助けを求めることは難しく、また公的支援につながったとしても、管理体制の厳しさなどからそこからこぼれ落ちてしまい、多くは〝自己責任〟で生き抜こうとしています。

学校や家が安心して過ごせる場でなくなり、渋谷で週5日過ごしていた自身の経験を記した『難民高校生』や、少女を「JKビジネス」に取り込む業者の手口を分析した『女子高生の裏社会』などの著書がある仁藤夢乃さんが代表をつとめる一般社団法人Colaboでは、行き場のない若年女性が性搾取などの危険に取り込まれる前に、繁華街での声をかけ(アウトリーチ)等で彼女たちとつながり、相談や役所などへの同行、一時シェルター、シェアハウスの提供などで、困っている女性を支え、「共にある」活動を行なっています。

また、大きな反響を呼んだ「私たちは『買われた』展」をはじめとする若年女性の性被害の実態を伝える活動では、女子高生を性的に価値の高い商品かのように「JK」と呼び、「児童買春」を「援助交際」と言い換え、「ブランド物ほしさに好きでやっているんだろう」と、児童買春被害を見て見ぬふりしてきた大人社会に、その責任を問うてきました。

本書では、Colaboの11年の活動を振り返りつつ、仁藤夢乃さんによるColaboにつながる女の子たちへのインタビューや、学校教育や女性福祉の専門家、弁護士、困窮者支援の活動家らと仁藤さんとの対談を収録。Colaboの核にある〈対等な関係性〉や〈当事者主体の活動〉がどのようにして可能になったのかを明らかにします。

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