KNOWLEDGE WORKER ナレッジワーカー



丸善のおすすめ度

トスカーナ・オルチャ渓谷のテリトーリオ~都市と田園の風景を読む~

陣内 秀信, 植田 曉, マッテオ・ダリオ・パオルッチ, 樋渡 彩  著

在庫状況 お取り寄せ  お届け予定日 10日間 
価格 \4,950(税込)         
発行年月 2022年09月
出版社/提供元
古小烏舎
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 463p 図版8枚
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/地理学/地誌・紀行
ISBN 9784910036038
商品コード 1034974889
NDC分類 293.7
基本件名 トスカナ州
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2022年10月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034974889

著者紹介

陣内 秀信(著者):陣内秀信(Hidenobu Jinnai)1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学係研究科博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。現在、法政大学特任教授。著書に『イタリア海洋都市の精神』(講談社)、『ヴェネツィア―都市のコンテクストを読む』(鹿島出版会)、『都市のルネサンス〈増補新装判〉』(古小烏舎)ほか多数。主な受賞にサントリー学芸賞、地中海学会賞、イタリア共和国功労勲章(ウッフィチャーレ章)、ローマ大学名誉学士号、アマルフィ名誉市民、ANCSAアルガン賞ほか。
植田 曉(著者):植田曉(Satoshi Ueda)1963年北海道生まれ。工学院大学大学院修士課程修了。一級建築士事務所風の記憶工場主宰。イタリア政府奨学金留学生としてローマ大学に留学。博士(工学、法政大学)。NPO法人景観ネットワーク代表理事。専門は文化的景観及び景観まちづくり、建築意匠。現在、北海学園大学客員研究員。北海道で二地域居住、循環型農業のCSAを実践。著書・論文・計画に『別冊造景1イタリアの都市再生』(共著・建築資料研究社)、『イタリアにおける都市・地域研究の変遷史』(法政大学出版局)、『中標津町景観計画』。
マッテオ・ダリオ・パオルッチ(著者):マッテオ・ダリオ・パオルッチ(Matteo Dario Paolucci)1971年ヴェネツィア生まれ。ヴェネツィア建築大学卒業。エディンバラ芸術大学で修復学を学んだ後、千葉大学大学院博士課程修了。博士(工学)。法政大学外国人招聘研究員として陣内研究室と共同研究を行う。専門は文化的景観及び修復学。農業景観研究の領域を開拓。現在、ヴェネツィア建築大学講師、法政大学エコ地域デザイン研究所兼任研究員。主な著書・論文に、Il restauro in Giappone : architetture, città, paesaggi (Aliena editrice)、“Rural landscape between conservation and restoration”, Urbanistica, No.120.
樋渡 彩(著者):樋渡彩(Aya Hiwatashi)1982年広島県生まれ。イタリア政府奨学金留学生としてヴェネツィア建築大学に留学。日本学術振興会特別研究員を経て、法政大学大学院博士後期課程修了。博士(工学)。
専門はイタリア都市史。瀬戸内テリトーリオ研究にも取り組む。現在、近畿大学工学部建築学科講師。著書に『ヴェネツィアのテリトーリオ―水の都を支える流域の文化』(共編、鹿島出版会)、『ヴェネツィアとラグーナ―水の都とテリトーリオの近代化』(鹿島出版会)。主な受賞に地中海学会ヘレンド賞、前田工学賞、住総研博士論文賞ほか。

内容

◇◆◇この書籍の小売店頭価格は、4500円+税です◇◆◇

それは、21世紀らしい美の誕生―――世界を魅了する屈指の景観の成り立ちを読み解く。

【2024年日本建築学会著作賞受賞】

イタリア・トスカーナ、オルチャ渓谷の田園風景。都市と田園が織りなす、人間と自然とが作り上げた「ありきたりの風景」は、2004年、傑出した文化的景観として世界遺産に登録されました。この出来事は、都市文明のパラダイムから解かれ、田園や農業が再評価される時代の到来を象徴し大変話題となりました。

この屈指の空間の成り立ちを、自然条件や大地を活かした人間の多様な営み(産業)、まちや田園にある居住地や建造物(の類型)、それらを結ぶ道のネットワーク、長年蓄積された歴史や伝統、文化、そして現代のセンスによる再生など、様々要素から「空間人類学」的に読み解き、テリトーリオが育んできたアイデンティティを描き出します。


*「『テリトーリオ』とは、一般に領土と訳される英語のテリトリーとは概念がかなり異なり、実にイタリアらしい言葉である。(中略)土地のもつ自然条件、あるいは大地の特質を活かしながら、そこを舞台に人間の多様な営みが展開してきた。農業、牧畜、林業、諸々の産業が営まれ、町や村の居住地ができ、田園には農場、修道院が点在し、これらを結ぶ道のネットワークもできる。長い時間の経過とともにそこに独自の歴史や伝統が蓄積され、固有の景観や地域共同体が生まれてきた。こうして成立する社会経済的、文化的なアイデンティティを共有する空間の広がりとしての地域あるいは領域が「テリトーリオ」なのである。(中略)風景とは様々な要素からなるテリトーリオの特徴が視覚的に表現されたものである。」
(陣内秀信「はじめに」より)

目次