著者紹介
スヴェン・ベッカート(著者):【著者】スヴェン・ベッカート(Sven Beckert)│ハーヴァード大学教授(アメリカ史)。資本主義の経済史、社会史、政治史について幅広く執筆するとともに「ハーヴァード大学資本主義研究プログラム」の共同座長ほかをつとめる。本作でバンクロフト賞、フィリップ・タフト賞、カンディル賞などを受賞、2015年ピューリッツァー賞最終候補作にも選ばれた。
鬼澤 忍(翻訳):【訳者】鬼澤 忍(おにざわ・しのぶ)│翻訳家。1963年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了。訳書にサンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』『公共哲学』『これからの「正義」の話をしよう』、シャイデル『暴力と不平等の人類史』、ワイズマン『人類が消えた世界』、バーンスタイン『交易の世界史』ほかがある。
佐藤 絵里(翻訳):【訳者】佐藤絵里(さとう・えり)│翻訳家。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒業。訳書にボニファス『最新世界情勢講義50』『現代地政学国際関係地図』、ウッドハウス『ブランディングズ城のスカラベ騒動』、ヴェリー『絶版殺人事件』ほかがある。
内容
綿の歴史は資本主義の歴史であり、
常に暴力と強制を伴っていた――
18世紀以降、綿産業の中心となった欧米の資本家と国家は、グローバルな綿のネットワークを形成、栽培のための労働力として奴隷貿易が定着するも、奴隷制廃止後には奴隷に代わる労働力の争奪戦が続き、現代の大手アパレルはコスト削減のため、国境を越えて工場を移している。
膨大な資料をもとに5000年、5大陸にわたる綿とそれにかかわる人々の歴史をたどり、今日私たちが直面している国家間・社会間の経済的不平等を含む現代世界の成り立ちを追究するとともに、国際協調のあり方についても示唆を与える、バンクロフト賞受賞作。
「傑作! グローバル資本主義の容赦ない拡大について新たな洞察を与えてくれる驚異的な成果」
――ニューヨーク・タイムズ