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ヒトラー爆殺未遂事件1939~「イデオロギーなき」暗殺者ゲオルク・エルザー~

ヘルムート・オルトナー  著

須藤 正美  翻訳
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \3,630(税込)         
発行年月 2022年11月
出版社/提供元
白水社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 272p,8p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/歴史学/ドイツ・オーストリア・スイス史
ISBN 9784560094730
商品コード 1035183083
NDC分類 234.074
基本件名 ドイツ-歴史-ナチス時代(1933〜1945)
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2022年12月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035183083

著者紹介

ヘルムート・オルトナー(著者):1950年生まれ。ドイツで最も著名なノンフィクション作家の一人。植字工としての修業を積んだあと、オッフェンバハ造形大学にてグラフィックデザインを学ぶ。その後はジャーナリストとして活動、雑誌「ジャーナル・フランクフルト」の編集者となり、後に編集長を務める。ヒトラーとナチスドイツおよび戦後ドイツの過去との取り組みを検証するものを中心に、20冊を超える書籍で知られる。本書は彼の代表作であり、ドイツ語圏だけでなく英米での評価も高く、これまで世界14の言語で翻訳出版されている。フランクフルトを拠点に活動。
須藤 正美(翻訳):1956年生まれ。東京都立大学人文学部博士課程単位取得満期退学。ドイツ文学、特にカフカをはじめとするユダヤ系文学者の作品、ドイツ人とユダヤ人の関係史などを研究。早稲田大学(2010年まで)、中央大学、明治大学、慶應義塾大学(現在に至る)などで講師を務める傍ら、文芸・実務翻訳に従事。主な訳書に『カフカのプラハ』(水声社)、『国家が人を殺すとき 死刑を廃止すべき理由』(日本評論社)、『ヒトラーの裁判官 フライスラー』、『ヒトラーとドラッグ』、『あるヒトラーユーゲント団員の日記 1928―35』(以上、白水社)他がある。

内容

英雄か? テロか? 牙をむいた一匹狼の物語

 「戦争を回避したかった」と供述した男は、質朴な家具職人で、単独犯だった。ナチの犯罪性を見抜き、世界の破局を確信していた暗殺者の生涯、事件の深層に迫り、歴史的評価を示す。
 1939年11月8日、21時20分、ミュンヘンのビアホール「ビュルガーブロイケラー」で時限爆弾が爆発し、8名死亡、63名負傷した。折しもヒトラーがミュンヘン一揆の記念演説を例年よりも早く終え、会場を去ったわずか13分後だった。同日、スイス国境で男が逮捕された。彼こそヒトラー爆殺未遂犯、36歳のエルザーだった。
 エルザーは、1944年ヒトラー爆殺に失敗した国防軍将校シュタウフェンベルクと異なり、貴族でもエリートでもなかった。犯行を自白したが、共産党組織に名前だけ属していただけの「イデオロギーなき」人物で、その背後にはいかなる組織、共犯者、支援者もなかった。しかしナチの目論見は、エルザーを「英国スパイ」としてプロパガンダに利用し、戦後に見世物裁判を開くことだった。
 本書は、独のノンフィクション作家が、エルザーの人格と行動を、丹念な取材と最新研究に基づいて見事に再現し、近年の歴史的位置づけにも言及する。

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