内容

目次

1．地誌学とは何か 最初に学ぶ「地域」／みわたす力とつなげる力の駆使／地誌学の系譜／地域のデータベース／地誌学の現在地／野に出よ，されば与えられん／本書が目指すもの 2．京都を歩く－地誌学事始め 地誌学に触れる／歴史的背景から京都をみる／人と自然のかかわりから京都をみる／「みわたす」「つなげる」を通じた地域理解の面白さ／地誌学での見方・考え方 3．調査の方法－準備から道具，心構えまで 地誌の調査とは／調査の準備／調査の道具／調査のデータ／データの収集と分析／現地調査への心構え／さあ現地調査へ出発しよう！ 4．地図の見方・使い方 地図と地理学／地図の種類／地図を読む／GISに触れる／地図を作る 5．地域の描き方－地誌へのアプローチ 地域を総合的に描く／社会を地理から描く／ある視点から地域を描く／面白い地誌とは何か 6．都市の個性－京都府宇治市 都市の個性をとらえる想像力／人々のイメージとまち／積み重なる都市の個性／個性を知る意味 7．鉱工業都市－茨城県日立市 日立市の概要／日立の歴史と産業の黎明期／鉱山町としての発展／電機産業の集積地としての発展／企業城下町の黄昏 8．沿岸域をめぐる環境史－神奈川県川崎市川崎区旧大師河原村 環境史という視点／東京湾沿岸の多摩川河口部／農業と漁業そして都市民俗誌／沿岸域の埋め立てと工業地帯の開発／環境汚染と地域住民／環境再生と主体形成 9．雪と砂泥と共に生きる－青森県津軽平野 太宰治にとっての故郷／雪国での暮らし／津軽平野の地形環境／東日本に華開いた亀ヶ岡文化／弥生水田の発見／泥炭地に生きる／なぜ，りんご栽培が盛んなのか／「裏日本」以前 10．石に刻まれた地域らしさ－愛媛県西予市明浜町狩浜地区 景観要素への着目／段畑の石積みからみる狩浜の地質／持ち込まれた石材／活躍する狩浜商人／なぜ外に出たのか／みかんの里へ 11．世界遺産を地誌する－石見銀山（島根県大田市） 世界文化遺産のいま／石見銀山の自然と歴史／山と海を結ぶ道／地域づくり 12．火山と共に生きる人びと－有珠山周辺，北海道 湿潤変動帯に暮らすということ／有珠山の噴火史／火山と共にある人々の暮らし／次の噴火に備えて 13．「島」を考える－沖縄県北大東村 「島」という視点／伝承に由来する島の名前／島の自然環境／小さな島の5つの港／島のチャンプルー文化 14．河川とともに生きる人びと－ナイル川 人々を魅了する河川／バオバブからアフリカ大陸の成り立ちを考える／サハラ砂漠の環境変動とエジプト文明の誕生／ナイル川とはどんな河川なのか／ナイル川下流部の地形／ナイル川水位の季節変動と農業／ナイル川の開発／国際河川が抱える問題 15．フランス・ワインのテロワール 地域を対比する／フランスのワイン生産地／ワイン生産地の気候環境／地形条件と土地利用／地質土壌とワイン生産／テロワール 16．国土を造った人々－オランダ キンデルダイクの風車／世界は神が創りたもうたが，オランダはオランダ人が造った／フライング・ダッチマン／地形・地質の概要／干拓の歴史／干拓地の土地利用／集落・都市の誕生と発展／水害を克服できるか 17．産業集積の地誌－シリコンバレー今昔物語 シリコンバレーとは／地域の特徴／シリコンバレーの前史／シリコンバレーの発展／シリコンバレーの競争優位性／シリコンバレーの今 18．アジア・大都市の発展と環境問題 アジアにおける大都市の発展／アジアの大都市における都市化と経済成長／巨大都市における環境問題の発生／都市環境問題の解決に向けた環境政策／環境史としてみた都市と人々の変化 19．ブラジルにおける自然環境の開発史 人と自然のかかわりからみたブラジル／ブラジルの概要／ブラジルの豊かな自然環境／産業の発展と自然環境の破壊／アマゾン熱帯雨林の開発と保全／ブラジルにおける自然環境の利用と持続可能な発展 20．巨大ハリケーンに襲われた町－ニューオーリンズ，アメリカ合衆国 自然災害と地誌／ミシシッピ川の恵みと災い／ミシシッピデルタの発達過程／ニューオーリンズの成り立ち／ハリケーン・カトリーナ／復興，そして現在