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福島原発事故は人びとに何をもたらしたのか~不可視化される被害、再生産される加害構造~(シリーズ環境社会学講座 3)

関 礼子, 原口 弥生  編
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \2,750(税込)         
発行年月 2023年09月
出版社/提供元
新泉社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 271p,12p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/社会科学/社会保障・社会福祉・社会政策 /社会保障・社会福祉・社会政策
ISBN 9784787723031
商品コード 1036477750
NDC分類 369.36
基本件名 福島第一原子力発電所事故(2011)
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2023年10月2週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1036477750

著者紹介

関 礼子(編者):立教大学社会学部教授主要業績:『新潟水俣病をめぐる制度・表象・地域』(東信堂、2003年)、『“生きる”時間のパラダイム——被災現地から描く原発事故後の世界』(編著、日本評論社、2015年)、「自然と生活を軽視する論理に抗う——新潟水俣病にみる公害被害の現在」(藤川賢・友澤悠季編『シリーズ 環境社会学講座 1 なぜ公害は続くのか——潜在・散在・長期化する被害』新泉社、2023年)、『福島からの手紙——十二年後の原発災害』(編著、新泉社、2023年)
原口 弥生(編者):茨城大学人文社会科学部教授主要業績:「環境正義は何を問いかけ、何を変えてきたのか」(藤川賢・友澤悠季編『シリーズ 環境社会学講座 1 なぜ公害は続くのか——潜在・散在・長期化する被害』新泉社、2023年)、「3.11後の広域放射能汚染に関する茨城県内自治体の対応——市町村アンケート調査結果より」(蓮井誠一郎と共著、『人文社会科学論集』1、2022年)、「被災者支援を通してみる原子力防災の課題」(『学術の動向』25(6)、2020年)、「『低認知被災地』における問題構築の困難——茨城県を事例に」(藤川賢・除本理史編『放射能汚染はなぜくりかえされるのか——地域の経験をつなぐ』東信堂、2018年)

内容

〈「復興」と「再生」のなかで増幅され埋もれていく被害〉

原発事故がもたらした大きな分断と喪失。
事故に至る加害構造が事故後に再生産される状況のなかで、被害を封じ込め、不可視化していく力は、人びとから何を剝奪し、被害を増幅させたのか。
複雑で多面的な被害を生き抜いてきた人びとの姿を見つめる。

〈「福島の復興なくして、日本の再生なし」という掛け声のもと、避難指示区域の除染と解除、住民の帰還推進とそのための復興事業が行われてきた。だが、「復興」は内実を省察しなければ「神話」となり、批判してはならないタブーになる。復興すべき地域や人の生活が「復興災害」に見舞われることも懸念される。
見えない被害、埋もれていく被害、新たに生まれる被害に敏感であることの重要性は、本書の事例が示している。被害の様相は浅くもなり、深くもなっている。多くの苦難を抱きつつも、より良い生を希求し続ける人びとの声に今後も丁寧に耳を傾けていく必要がある。——編者〉

【執筆者】藤川 賢/長谷川公一/平川秀幸/高木竜輔/西﨑伸子/除本理史/小山良太/望月美希/野田岳仁/廣本由香/林 勲男

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