近代京都と文化~「伝統」の再構築~
内容
目次
序(高木博志) Ⅰ ロマン主義と花街 《祇園町》の空間変容(加藤政洋) マキノ映画にみる京都の花街・舞妓表象―万国博覧会から『祇園小唄 絵日傘 第一話 舞ひの袖』(1930年)へ(冨田美香) 戦後日本映画における島原―反ロマン主義的トポスとして(木下千花) 吉井勇と京都―「夢の女」の発見 異国憧憬のまなざしと祇園(細川光洋) 国画創作協会の成立(中野慎之) 梶原緋佐子初期作品研究―社会の底辺を生きた女性を描く(植田彩芳子) 〔作品紹介〕梶原緋佐子《廓美人図》1922~24年頃、旧三枡楼所蔵 Ⅱ 日本主義と京都文化 近代京都の農民美術と民芸―副業を奨励した二つの運動(青江智洋) 猪飼嘯谷と明治神宮絵画館壁画(長志珠絵) 戦時下の新村出(福家崇洋) 1940年代の寿岳文章―日本主義と民主主義(高木博志) Ⅲ 京都文化の相対化 歴史を演じる―祝祭とページェントの近代京都(ジョン・ブリーン) 東本願寺と京都画壇―明治度両堂再建における障壁画制作の道程(國賀由美子) 富岡鉄斎と考槃社(柏木知子) 境内の殺人事件―水上勉『雁の寺』と京都の裏面(イリナ・ホルカ) 「加賀百万石」の記憶と京都文化―近代金沢における都市イメージの形成(本康宏史) Ⅳ 地域社会と京都文化 「教育的都会」京都の誕生―爛熟する官立学校誘致の経験(田中智子) 京都・尊攘堂における「活きた勤王」―近代京都文化を作り、支えた人びと(池田さなえ) 近代京都の外国人旅行者と東山―粟田の変化と美術工芸品購入を中心に(山本真紗子) 近代京都染織業と近江商人系商店―拡大の実態と染呉服の大衆化(北野裕子) 除夜の鐘と京都―草創期ラジオとの関わりに着目して(平山昇) 小売市場の普及に見る生活文化の近代的変容(和田蕗・中川理)