著者紹介
ガブリエル・マルセル(著者):(Gabriel Marcel 1889–1973)フランスの哲学者・劇作家。パリに生まれる。6、7歳で劇作を試みた。十代半ばには音楽を、やがて哲学を志してソルボンヌ大学に入学。21歳で教授資格論文「シェリング哲学との関係におけるコールリッジの形而上学的諸理念」により合格した後、保養先の英国で交霊術にも深い関心を懐く。若年時からの知的・人間的素地、経験や関心に基づき、愛の問題を中心とする独創的な哲学的反省を展開しつづけた。カトリックとなるも教義とは無縁で傍観的な立場に留まった。哲学系の邦訳書も多数あり、著作集は春秋社より刊行されている。
古川正樹(翻訳):1957年11月、鹿児島県に生まれる。鹿児島県立鶴丸高等学校卒業。仏語論文「メーヌ・ド・ビランにおける哲学と宗教」により、パリ゠ソルボンヌ大学哲学博士(成績mention très honorable)取得。鹿児島大学・早稲田大学講師等を務める。著書に、彫刻家高田博厚が大画家ジョルジュ・ルオーの軌跡に即して述べた深い人間思想を初めて本格的に論じた『形而上的アンティミスム序説――高田博厚による自己愛の存在論』(舷燈社、2009年)がある。